中東・アフリカ

シリアとヨルダン、
「イスラム」フィルターを外すと見えてくるもの
人口と食料生産で読み解く国家の姿

2015.02.09(月)  川島 博之

米ホワイトハウスでオバマ大統領と会談するヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン国王(左)(2015年2月3日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB

日本人が人質になり身代金を要求された事件に伴い、これまで我々には関係がないと思っていた中東の国々に注目が集まっている。テレビや新聞で各種の情報が伝えられているが、ここではもう少し根本から中東で起きていることを考えてみるために、シリアとヨルダンの人口の趨勢と食料について解説したい。

 人口と食料はその国の社会のあり方を大きく規定する。人口の趨勢と食生活の水準が分かるとその国の様子をある程度知ることができる。この手法は、特に開発途上国について有効である。

人口が急増するシリアとヨルダン

隣接するシリアとヨルダン(Googleマップ)

 シリアとヨルダンでは人口が急増している。1961年のシリアの人口は470万人、ヨルダンは93万人。世田谷区の人口は約80万人だから、50年前のヨルダンは世田谷区のようなものだった。それが2015年にはシリアが2200万人、ヨルダンが770万人になった。シリアが4.7倍、ヨルダンは8.3倍である。これほど人口が増えれば、もめ事が増えるのは当然だろう。

 図1と図2に両国の人口ピラミッドを示す。両国共にき…
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