1年間に1万体以上、大阪府警が全ての変死体に薬物検査を決定

2015年02月05日 23時34分

2015年02月05日 23時44分

犯罪,逮捕,牢獄
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司法解剖の前段階

大阪府警が今春からほぼ全ての変死体に薬物検査を実施する方針を決めたことが分かった。

読売新聞の報道によると、病死などの死因が明らかな物以外を対象に行うとのことで、年間約1万体以上になるとのこと。

手順として遺体から採取した唾液による簡易監査を行い、反応があれば司法解剖に回すそうだ。

きっかけは連続変死事件

今回の対応のきっかけとなったのは、京都や大阪で発生した連続変死事件だ。

当初、司法解剖で病死と判断されたものの、後に血液鑑定を行ったところ薬物が検出されたため、別の事件で逮捕されていた筧千佐子容疑者を再逮捕するに至った。

死因究明2法

2012年に「死因究明2法」と呼ばれる「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律」と「死因究明等の推進に関する法律」が成立して以降、検視官が臨場する割合は増えつつあり、2008年までは10%程度に留まっていたところ、2012年は49.7%、2013年は62.7%にまで増加した。

背景には、2007年、時津風部屋に在籍していた新弟子が暴行により死亡した事件や、1980年代から約25年間で20人以上が死亡したパロマガス機器事件などがある。

ただし簡易検査の実施率や検視官の臨場率、司法解剖の実施率などには、未だ都道府県の間で大きな差が生じている。

遅ればせながらも実施率の低かった大阪府警が方針転換をしたのは、埋もれていた犯罪を明るみに出す意味では歓迎するべきだろう。大阪に続いて、他の自治体も同じ方針を示して欲しいものだ。