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クオータ制議連立ち上げは野田聖子総理への足がかり!?

週刊文春 2014年11月13日(木)18時6分配信

 女性閣僚のダブル辞任などで安倍政権に黄信号が灯る中、野田聖子衆院議員(54)が、復権へ向け動き出した。

 9月の人事では、同じ三役の政調会長だった高市早苗氏は総務相に就任したが、野田氏は総務会長の職を解かれ、無役となった。だが、野田氏の誕生日でもある組閣当日に都内ホテルで行われた政治資金パーティーは、1000人をゆうに超える「過去最高」(自民党関係者)の大入りとなった。

「入閣できなかった中堅・ベテラン議員を始め、野党の重鎮たちも会場に詰めかけ、あたかも安倍政権に不満を持つ勢力の決起大会のような雰囲気でした」(同前)

 そんな野田氏は「次」に向けた活動を本格化している。今月21日には、超党派による「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」を立ち上げ、自ら幹事長に就任するという。

 同議連は、選挙の公認候補者の一定割合を女性とするよう各党に課す「クオータ制」の導入を推進する。

 すでに共産党以外の各党から発起人を確保し、約30人が参加する予定。近年中の法制化も射程圏内に入れている。

 議連の人事案では、会長に民主党の中川正春元文科相、会長代行に社民党の福島瑞穂氏、メンバーには辻元清美氏、山本太郎氏などの名前が並ぶ。

 実はこの議連、事実上の「野田議連」と言っても過言ではない。

「クオータ制導入は野田氏の悲願です。昨春から議連立ち上げの動きがありましたが、野田氏が『今は党務に集中したい』ということで先延ばしになっていたのです。プライベートでは息子の保育園通いが始まり、地方や海外への出張も精力的にこなしています」(同前)

 野田氏は、来年の総裁選出馬が取り沙汰される。ポスト安倍の有力候補だった小渕優子氏は金銭スキャンダルで経産相辞任に追い込まれ、石破茂地方創生相も閣内に封じ込められた。

「野田氏は現在無派閥ですが、宏池会(岸田派)の名誉会長を務める古賀誠氏と師弟関係にある。安倍晋三首相と距離を取る保守リベラル層が、担げるタマが見当たらない中、“初の女性首相”を謳い文句にできる野田氏は担ぎやすい」(政治部記者)

 ただ、宏池会には現会長の岸田文雄外相や林芳正前農水相ら、ポスト安倍を狙う面々もいる。“野田議連”は女性総理誕生の足がかりとなるか。


<週刊文春2014年11月20日号『THIS WEEK 政治』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:2014年11月13日(木)18時6分

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