虚偽の記載で中小企業助成金をだまし取ったとして、静岡中央署は9日、磐田市にあった金属加工会社「豊洋クロステック」元社長の伊藤敏均(63)=同市掛塚=と同社元秘書室長の竹原澄美子(61)=同市西平松=両容疑者を詐欺容疑で逮捕した。
逮捕容疑は09年11月21日~12月20日、実際には働いていた従業員29人を休業したように装って静岡労働局に書類を提出し、休業手当に対して支給される中小企業緊急雇用安定助成金約445万円を不正に受給したとしている。
(毎日jp)
中小企業緊急雇用安定助成金(通商、中安金)を虚偽の記載で申請しだまし取った疑いで逮捕された元社長と元秘書…。
この助成金は景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向をさせた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成するものです。
実際に働いていた従業員を休業したように装って申請し、休業手当の一部を受給していたということになります。こういった、虚偽の申請によりこの中安金を不正受給している事業主はたくさんいると思います。今回の不正受給は、労働基準監督署に賃金不払の相談が寄せられ発覚しました。労基署の相談、申告のほか、ハローワークの助成金担当が休業予定スケジュールに従って休業しているか、調査に行ったら実際には休業せず働いていたというケースで不正受給が発覚することもあります。
社長さん仲間からうまく不正受給をしているという話を知り、相談をされるケースもあります。しかし、虚偽の申請による不正受給は企業にとっての大きなダメージにつながります。絶対にお勧めできません!
静岡労働局によると、2人は09年2~12月、10回にわたって虚偽申請し計約2700万円をだまし取った疑いがあるといいます。また、労基署の調べで2人は賃金台帳虚偽記載など労働基準法違反容疑で書類送検もされています。賃金を払わずに働かせ、なおかつ休業させたことにして助成金を2700万円受給していたのですから当然の報いです。
くれぐれも助成金の不正受給はされませんように。