お友達のちうさいさんがご自身のブログ 「Silent Aquarium」 で、「検疫の実演」というタイトルで大変勉強になる記事をアップされました。
永久保存版として、当ホームページでご紹介するお許しをいただきましたので、ほぼそのままの形で掲載させていただきます。

外 から買ってきた魚や貰った魚を自分の魚と一緒に泳がせると調子を崩してしまうことがよくあります。この理由については様々な考え方があり、敢えてここで議 論はしませんが、一緒にすると調子を崩すことは事実です。外部の魚はおろか、水槽の水が混ざっただけでも調子を崩す可能性があります。よって、愛好家の方 々は人ぞれぞれのやり方があるとは思いますが、外部から持ち込んだ魚を自分の水槽に直接入れるようなことは絶対にしません。「自分の魚」にするまでにはか なり慎重な対応が必要ということです。今回ご紹介するちうさいさんの方法は、私からすれば完璧な方法だと思います。逆に言えば、ここまで実践されている方 も少ないかもしれません。ちうさいさんの魚を愛する姿勢の現れだと思います。
それでは、一緒に勉強しましょう。

以下、Silent Aquariumより。


我が家の温室の一角
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ここに、外からやってきたグッピーをまとめて置いています。めだか館プラケース使用。
めだか館プラケ、いいですね。もう15年も大事に使っています。水槽壁面が床に対して垂直なので、飛び出死が起こりにくいです。


稚魚を発見したら、即刻このように床に3つ並べます。(右利きの場合)
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左端は外からの魚を飼育しているプラケです。
右の2つは100均のケースで、温度を合わせた汲み置きの新水を入れています。
(注:100均のケースは新品だと表面に薬品が付着しているので、ヌメリがとれるまでよく洗ってから使いましょう)


外からの魚。
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園芸ネットで仕切られており、稚魚は後ろに逃げられるようになっています。
濾過器やエアストーンは絶対に使用しません。システムが複雑になれば、それだけ感染経路が増えます。


稚魚を網で掬います。
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小さいネットを使用することにより、親水槽の水の持ち込みを大幅に減らすことができます。


真ん中の容器で、稚魚を網ごと軽く濯ぎます。
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これで、親水槽の水の大部分を落とします。


右端の水槽に稚魚を集めます。
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これでしばらく( だいたい1時間から半日くらい )落ち着かせ排泄させます。まだ給餌はしません。


流しの近くの水草水槽の水温を指で計ります。理由は「蛇口に近いから」
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温室なので、汲み置き水を入れたコップとかの方がよさそうですね。


蛇口から出てくる水道水の温度を、水草水槽の水温と同じになるように調節します。
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回収した稚魚を網に移します。
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この間、水道は出しっぱなしにしておきます。


すぐに稚魚と網を水道水で洗います。
稚魚に直接水流が当たらないように、やさしく扱います。
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約10秒くらい。


先ほど稚魚が入っていたケースとは別のケースに移します。汲み置きの新水が入っています。
出産数が多い場合は、ケースを2つ以上に分けることもあります。
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なるべく網は浸けずに、稚魚を落とします。
網の裏から息を吹きかけたり、縁でコンコンと振動させるとうまくいきます。


なんの稚魚か判らなくなるとアレなので、記憶が確かなうちにラベルを貼っておきます。
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親と同じラックの上段に置きます。
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消化管内の水もできるだけ抜きたいので、出産後翌日くらいまでの間に網を用いての全量換水&濯ぎを、あと1~2回ほど行います。出産後2日間の給餌は洗浄直後のみに、残餌が出ないように行います。(隔離が遅れた場合は、気持ち多めに洗います)

3日目以降~1ヶ月くらいの間は足し水のみで一切水換えはしません。
水質維持のための水草投入や、貝の投入もしません。種水も入れません。
病気予防になってしまうので塩も入れません。
餌は普通にやるので、水はどんどん汚れていきます。近づくと少々異臭を感じるようになりますが、健康なグッピーであればなんともありません。無事に1ヶ月を乗り越えたら、数日かけて少しずつ水を換えて新しい水に慣らします。これで、やっと我が家の一員になれます。
(※病魚をあぶり出すため、故意に悪環境にしています)

もし親がキャリアかつ親子隔離が不十分の場合は、環境の悪化に耐え切れず、あっさり針病になります。その場合は基本的に処分することになります。

友人から預かった大切な魚や、混じり抜きのレアな魚の場合など、特別な事情がある場合のみ、食塩を入れて治療します。治療して育成した場合は、本水槽へのデビューとはなりません。再度、隔離棟でペアリングして稚魚を採り、上記の作業を行います。

我が家のグッピーは、以上の検疫を受けているので針病は一切見ませんし、異なる水槽の魚を一緒にしてもヒレを閉じて腰を振ることもありません。



以上がちうさいさんの「検疫の実演」です。いかがだったでしょうか?私は大変勉強になりました。このような記事を当ホームページでご紹介できることを大変光栄に思いますとともに、ちうさいさんのご提供に心より感謝申し上げます。




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