20年東京五輪:自転車競技、伊豆の既存施設活用へ
毎日新聞 2015年02月06日 東京朝刊
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)による大会準備に向けた第3回事務折衝は5日、2日間の日程を終えた。財政負担の軽減などを理由に、見直しが進む会場計画について、組織委の森喜朗会長は「自転車競技は、伊豆を使うことが方向としていいのではないか」と述べ、既存施設の伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)の活用を検討する考えを明らかにした。
自転車のトラック種目とBMXは計65億円を投じ、東京都江東区に仮設会場の有明ベロドロームと有明BMXコースを建設する予定だった。森会長は、昨年12月にIOCが採択した中長期改革「アジェンダ2020」で、既存施設を最大限活用することが掲げられていることを強調。「国際競技団体の意向を聞かなければならないが、IOC調整委員会のコーツ委員長からは、その案を支えると言われている」と説明した。
このほか、馬術の主会場は予定していた夢の島競技場(江東区)から1964年東京五輪でも使用された馬事公苑(世田谷区)へ変更することで調整を進めていることも示された。組織委は4月をめどに、追加提案する種目を除く全ての会場計画をまとめる方針。
一方、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人の人質事件など激しさを増すテロの対策について、コーツ委員長は「セキュリティーは最も重要な検討事項。日本政府はあらゆる課題に対応できる能力を持っている」と改めて信頼感を口にした。【田原和宏】