身分証ニモカ 筑女が新年度導入 福岡女学院大は11年 図書館入館など多機能好評 [福岡県]
福岡の高校や大学などで身分証明書とICカードを一体化した「多機能型学生証」を導入する動きが広がっている。公共交通機関の乗車券だけでなく、登下校を知らせるメールや図書館の貸し出し管理など、さまざまな機能を搭載できるため使い勝手がよく、オリジナルの絵柄も学生たちに好評だという。
筑紫女学園中学・高校(福岡市中央区)は2015年度から、交通系ICカード「nimoca(ニモカ)」を搭載したオリジナルの身分証明書を、全生徒2100人に配布する。ICカードの学生証は中学・高校では九州で初めて。
これまでは手のひらサイズの生徒手帳に身分証明書が付いていた。15年度から生徒手帳はスケジュール帳も兼ねる形に大判化して携帯しづらくなるため、身分証を分離する代わりに多機能を備えたICカードにすることにした。
表面がニモカ、裏面が身分証。登下校を保護者にメールで知らせる機能も備える。「生徒の個人情報が同意なしに、ICカード運営会社に渡るのでは」との心配にも配慮。学校は、生徒数分のニモカを購入後、守秘義務契約を結んだ別会社に身分証明書を刷ってもらう。買い物の際にポイントが付く「スターニモカ」に切り替えたり、定期券にしたりする場合は、生徒側から申し込み手続きを取ってもらう。広報担当者は「今後、ニモカを電子マネーとして売店や食堂で使えるようにするなど活用法を検討したい」と話す。
福岡女学院大(同市南区)も11年3月、大学で初めて学生証とニモカを一体化。約2300人に配り、図書館の入館や貸し出しの管理システムも搭載した。電子マネーは学生食堂で使える。12年には純真学園(同)も大学と短大で導入している。
デザインをオリジナルにできるのも特徴の一つ。筑紫女学園は、ニモカのマスコットキャラクターであるフェレットに冬と夏の制服を着せたイラストをあしらっている。医療・保育系の純真学園は白衣やエプロン姿。キリスト教系の福岡女学院大は聖書を持っており「かわいくて自慢したくなる」と学生に好評で、卒業後もニモカの機能だけで使い続ける人も多いという。
=2015/02/06付 西日本新聞夕刊=