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ラブライブ!のハイレゾ音源を買ったら残念なことに気づいてしまった。

2013年11月3日 | Filed under: PC, アニメ, オーディオ and tagged with: オーディオ, ハイレゾ, ラブライブ

気づきました。

買ってしまった。

音楽配信サイト、e-onkyoで、ラブライブ!楽曲のハイレゾ配信が始まるという告知は以前から何度か目にしていたものの、そもそもラブライブ!楽曲のような音をハイレゾにしてどうなるのだろうという疑問と、48kHz,24bitってそこまでハイレゾってわけでもないよなという思いから、買う予定は全くありませんでした。しかし、発売当日にツイッターで検索して評判を眺めていると、確かに良い音になっているという評価と、よくわからなかったという評価(普通の人にとってハイレゾ音源なんてそんなものだと思うけれども)に分かれていて、沸き上がってきた自分の耳で確かめたいという欲に勝てず買ってしまいました。

企画を確認しておくと、今後ラブライブ!のハイレゾ音源を展開して行くにあたって、エンジニアがミックスダウンしたそのままの音源(48kHz,24bit)を配信する「TRUE STUDIO MASTER」と再リマスターを施した「HD RENEWAL MASTER」の2バージョンを用意するが、まず前者の「TRUE STUDIO MASTER」の音声をシングル5枚分配信するよ。ということだそうです。

今回買ったのはμ’s 3rdシングル『夏色えがおで1,2,Jump!』のカップリング『Mermaid Festa Vol. 1』。スペインや中米のような情熱的な雰囲気を感じさせる楽器が使われているのが特徴の楽曲。これについてCDと今回ダウンロードした音源について聴き比べをして、レビューをしようと思いましたが、今回は客観的なデータの側面から見ていこうと思います。
なぜ聴き比べでないのかというと、自分がいわゆる糞耳の持ち主で、適当なことを書いてネットに放流するとぶっ叩かれるのではないかと恐れているという点もわずかにあるものの、CD版とDL版とで音声波形がまるで違っていたということが第一の理由です。
だって、波形があまりにも違うんだから、聴いた印象が違ってもハイレゾであることの恩恵なのか、マスタリングの違いによるものなのかが切り分けられないじゃん。基本的に後者のほうが与える影響は大きいだろうし。

※以下の文章中には、認識や知識について誤りがある可能性があります。

そもそもハイレゾ音源とは

※興味のない方や、そんなの常識だろという方は次の見出しへ飛んでもください。また、イメージをつかみやすくするためにごく簡単に説明しているので、実際の音声処理等とのズレがあります。

音響に興味のない人はハイレゾや、上でちらっと出てきた48kHz,24bitなんて言われてもなんのことやらという感じだと思います。ハイレゾはHigh Resolutionの略で、高解像度であるということを表しているのですが、高解像度ってなんやねんと疑問が疑問を呼びます。とりあえず今は、「CDノオトヨリモコウカイゾウド」と覚えておきましょう。たぶんあとでわかります。

レコードやカセットの時代からCDやダウンロードの時代になって何が変わったのかというと、音の記録方法がアナログからデジタルへ切り替わったのです。音は波であるということを聞いたことがあるかと思いますが、デジタル録音の際には、切れ目のないアナログの波を数値で表す必要があるので、その時の波の大きさを表す数字を一定の間隔で並べることでアナログっぽい波を再現します。点をいっぱい打って線にするのに近い感覚です。
となると、この点が多いほうが元の線がより忠実に再現できるであろうことが感覚的にわかると思います。音の大きさを取りに行く回数が多い方がいいということですね。1秒間に大きさを取りに行く回数をサンプリング周波数といい、CDの場合は44.1kHz、つまり1秒間に44100個の点を取っているということです。サンプリング周波数の半分までの周波数の音の波形は再現できるよーと偉い人が考えたらしく、CDでは22kHzくらいまでの音を記録できます。今回ダウンロードした音源では48kHzなので、24kHzくらいまで行けますが、人間に聞こえるのは20kHzくらいまでと言われているので、サンプリング周波数が大きくても意味が無いとか、単体では聞こえなくてもは他の音と干渉して聞こえるから意味があるよ!と言われていたりします。

48kHz,24bitという言葉の謎が一つ解けましたが、では24bitとは?
このbit数というのは、音の大きさを表すときに、どれだけの段階で表せるか、を表しています。大きさを表すときにはやっぱり段階が多いほうが正確に表すことができます。10点満点の評価よりも、100満点のほうが細かい評価ができるのと似たような感覚です。
bit数が大きくなるとどうなるかというと、最も大きい音と最も小さい音の差(ダイナミックレンジ)を大きく取ることができるようになります。だいたい1bitで6dBという音の大きさの範囲をカバーできるので、16bitではだいたい96dB、24bitでは140dBまで表すことができます。クラシックでよくある、最初の方の音がほぼ聞こえないのに、クライマックスは爆音になる曲のダイナミックレンジは120dBを超えると言われているので、CDには収まりきらないことがわかります。でも24bitなら大丈夫。すごい!
世の中には1bitオーディオという物がありますが、今回のレベルに収まりきらないし、関係ないので省略します。

サンプリング周波数を増やすと周波数の幅が、bit数を増やすとダイナミックレンジが広がるということがわかった(?)と思います。なんかCDよりも高解像な感じがしてきたでしょ?
e-onkyoやOTOTOYなどのハイレゾ音源配信サイトでは、今回の48kHz,24bitより上の96kHz,24bitや、192kHz,24bitなどのもっと高解像っぽい音声が主に配信されています。
ただし、PCの設定でそれらのデータを再生できるように設定しておいたり、再生できるような機器を接続しておかなければ、192kHzのようなあまりにもハイでレゾな音声も、それ以下に変換されて聴く事になってしまいます。注意しましょう。

波形を見てみる

面白くないお話が続いたので、目で見て違いがわかる波形の比較に入りましょう。
今回用意した音源は、『Mermaid Festa Vol. 1』のCD(μ’sベストアルバム)版とダウンロード(ハイレゾ)版。まず全体を見てみましょう。以降常に上がCD、下がDL版です。
oto1
横軸が時間、縦軸が振幅(大きくなると音が大きくなる)です。
宣伝文句をそのまま受け取るなら、ミキシングの後に入るマスタリングがこの2つの波形の差に現れている事になります。まず、マスタリング前後で、曲前後の無音時間が違います(画像は手作業で揃えているが)。これはCD全体の構成などを考えて決められるようです。まあこの部分は曲単体で聴く分には影響を与えないので置いておきます。

次に目につくのは、DL版には振幅の上下に隙間があるのに、CD版にはないことです。これについて、もう少し拡大して見てみましょう。
oto2
CDの波形を見てみると、波形が枠に張り付いている部分があります。新しく増えたクリッピングという項目でこういう箇所がどこにあるのかわかるようになっています。波形が枠に張り付いているような箇所はクリッピングを起こしている箇所であるということです。
このクリッピングとはどういう状態かというと、記録できる最大音量を超えている状態と言えます。最大音量を超えた場合、それ以上の上のレベルに情報があるにも関わらず、記録できる最大の値として記録されてしまいます。例えるなら、☆型のクッキー記事を少し小さい○型のクッキー型で繰り抜いた時、☆の突端部分は切り落とされ、先が丸くなってしまい、本来の形とは違う形になってしまうようなものです。
これを音として聞いた場合、いわゆる音割れが発生してしまうことになります。上の画像の場合は0.001秒以下のごく短い時間だけクリッピングが起こっているため、明らかに音が割れていると感じる人はそれほど居なくても、圧迫感を感じたり、聴き疲れたり、そもそも違う音に聞こえてしまったりといったことが起こります。

クリッピングがちょっとあったから残念なの?という疑問があるかもしれませんが、これは曲の一部に過ぎません。曲全体ではどれくらいクリッピングが起こっていたか見てみましょう。
oto3
うわああああああ。拡大すると、表示しきれなかったため隠れていた部分も出てくるし、本当に数えきれない。
それに対して、DL版では1箇所もありません。これがどういうことかというと、ミックスダウン直後にはなかったクリッピングが、後工程であるマスタリングで音圧を上げたことで大量に発生してしまったという事になります。なぜ音圧を上げるのかを語る前にもっと残念なことを確認しておきましょう。

ラブライブ!の曲はクリッピングに塗れていた

説明はもう要らないでしょう。図をどうぞ。
Snow Halation (ベスト盤)
oto4
Cutie Panther (シングル)
oto5
これらは、明らかに割れているとまでは感じませんが、聴き疲れする原因がつかめたように感じます。
問題は次の曲です。
硝子の花園 (BD初回限定版特典)
oto6
上の2つと同様に大量にあるわあるわ。ここでは拡大してその様を見てみます。

酷い…ここまで来ると、聴覚上にも音割れという形で現れてきます。あと、トランペットの音がビビっていたりとか。
他の曲について見てもらったところで、なぜ、について説明しようと思います。

音圧競争

90年代くらいから、レコード業界では音圧競争というものが起こっています。音圧競争とは、曲の音圧をギリギリまで上げようという流れのこと。主に歌謡曲で著しく、実際に、所謂J-POPを聴いた直後に昔のCDを聴くと、音が小さく感じたりします。
なぜこのようなことをするのかというと、マーケティングのためです。テレビやラジオで曲が流れた時に音が大きければ目立つ。お店の試聴機で試聴した時に目立つのは勿論高音質に聴こえる。などの理由だそうです。実際音圧が高ければ機器の音量が低くても聴こえやすかったりします。

しかし、曲の音圧を上げていくと、ダイナミックレンジがほとんどなくなってしまうという欠点があります。上の方で出てきた、120dBのダイナミックレンジを持ったクラシック音楽がなぜそれほどのダイナミックレンジを取っているのか。それは音量の差が表現の一つであるためです。例えば、小音量で繊細に奏でることで弱々しい雰囲気を出したりといったように。
ダイナミックレンジの殆ど無い曲では、曲全体の波形が昆布のようになってしまいます。上の例のように。高bitでダイナミックレンジが広く取れるハイレゾ音源がラブライブ!の曲に必要なのか疑問視していたのはこういうことです。

とはいえ、勘違いしてはいけないのが、音圧競争の影響を受けている曲全てにクリッピングが発生しているわけではなく、むしろ殆どの曲には起こっていないということ。
自分で波形編集ソフトに音源を突っ込んでみるとわかりますが、昆布のような波形になっていても、拡大していくと、通常はギリギリで音割れしないラインにあることがわかります。
ラブライブ!お前はやり過ぎた。やり過ぎたのだ。そもそもブルーレイの特典CDの音圧上げる必要ないじゃん!

音圧を上げることで曲が売れるということは、実際にはなかなかなく、見直されてきているようです。というわけで次のシングルは頼む…なんとか…

次のシングル↓
ラブライブ! μ’s シングル(Blu-ray Disc付)

次のシングルを聴いた結果↓
終わらないパンティを始めたらやっぱり音が悪かった。

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Written by saba0274

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4 Responses to "ラブライブ!のハイレゾ音源を買ったら残念なことに気づいてしまった。"

  1. にゅーすのみっ1555 | typeblue.net* より:
    2014年1月2日 2:22 PM

    […] ■ラブライブ!のハイレゾ音源を買ったら残念なことに気づいてしまった。 [好奇心は鯖をも殺す] […]

    返信
  2. ガジェット通信編集部 より:
    2014年1月7日 5:50 PM

    はじめまして。
    ガジェット通信というウェブニュース媒体を運営しております編集部の寄稿チームと申します。

    ラブライブ!のハイレゾ音源を買ったら残念なことに気づいてしまった。
    http://jobless-fish.com/?p=135

    こちらの記事を弊社媒体に寄稿記事として掲載させていただきたくご連絡申し上げました。

    お手数かとは存じますが、詳細をお伝えしたく、ガジェット通信編集部(kiko at razil.jp)まで一度ご連絡いただければ幸いに存じます。 何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

    返信
  3. すぴ より:
    2014年1月29日 9:06 AM

    結局ハイレゾを買ったのは正解だったのでしょうか・・・

    返信
  4. p-Lis より:
    2014年2月3日 12:20 PM

    ハイレゾ版気になってたんですが、そのまえに通常版?とベスト版って音違いますよね。
    それの比較やっていただけると面白いかなーと思いましたが、この記事をみてハイレゾ版買う価値はあるのかな?と思ってみましたがどうでしょうか。

    返信

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