東芝は5日、韓国半導体大手SKハイニックスと半導体回路を微細化できる次世代の露光技術を4月から共同開発すると発表した。限界が近い半導体メモリーの回路線幅をより微細にし、性能向上やコスト競争力の強化につなげる。次世代の露光技術は複数の候補があり、開発負担が重い。費用を折半し、2017年の実用化を目指す。
シリコンウエハーに半導体回路を形成する露光工程に使う「ナノインプリント」と呼ぶ製造技術を開発する。微細な凹凸のついた原板をウエハーに押しつけて半導体回路を形成する。横浜市の東芝の拠点で両社合わせて約40人の技術者が要素技術を開発する。
東芝は回路線幅が15ナノ(ナノは10億分の1)メートルの世界最先端のNAND型フラッシュメモリーを14年から量産。既存技術ではこれが微細化の限界とみられ、各社が次世代の露光技術の開発を競っている。
東芝はもともと提携関係にあったハイニックスを昨年3月に半導体技術の不正取得で訴えたが、12月に和解。その際、次世代露光にも提携分野を広げると発表していた。
東芝はキヤノンとナノインプリントの半導体製造装置を開発中だ。ハイニックスとの製造技術の成果を、装置開発にも反映させる考えだ。
SKハイニックス、東芝、キヤノン、半導体、半導体メモリー、ナノインプリント、韓国