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女子高校生殺害事件 1審判決を取り消す
2月6日 16時37分

おととし、東京・三鷹市で女子高校生が殺害された事件の裁判で、東京高等裁判所は、元交際相手に懲役22年を言い渡した1審の判決について、「インターネット上に被害者の画像を流したリベンジポルノと呼ばれる、起訴されていない行為を実質的に処罰した疑いがある」として取り消し、1審のやり直しを命じました。

おととし10月、東京・三鷹市で高校3年生の女子生徒が殺害された事件で、元交際相手の池永チャールストーマス被告が(22)殺人などの罪に問われています。
池永被告は、被害者の画像をインターネット上に流したリベンジポルノと呼ばれる行為については起訴されませんでしたが、1審の裁判員裁判は、去年8月、「被害者の命を奪うだけでなく、その社会的存在も傷つけたことは卑劣で、殺害行為に密接に関連して考慮する必要がある」と指摘して懲役22年の判決を言い渡しました。
6日の2審の判決で、東京高等裁判所の大島隆明裁判長は「1審判決は、リベンジポルノの行為について、殺人罪の動機の強さや遺族の被害感情を判断するための事情として考慮できる限度を超えて、実質的に名誉毀損の罪で処罰する趣旨で刑の重さを判断した疑いがあり、違法だ」と判断して、1審判決を取り消し、東京地方裁判所に審理のやり直しを命じました。
判決について、被害者の女子高校生の両親は「判決は不当です。画像を流したことを殺人罪を判断する事情としてのみ考えても、懲役22年は軽すぎる。画像を流したことが重く処罰されすぎているとは考えられない。まだ裁判が続くと思うと、とてもつらいです」というコメントを出しました。
東京高等検察庁の堺徹次席検事は「予想外の判決であり、驚いている。判決内容を検討し、適切に対応したい」というコメントを出しました。
判決について、池永チャールストーマス被告は「2審の法廷で述べたとおり、反省の念や被害者、ご遺族に対する謝罪の気持ちは、本日の判決を受けても変わりません」というコメントを弁護士を通じて出しました。
また被告の弁護士は「判決は弁護側の主張を認めたもので、刑事裁判の法律に従った妥当な判決だと評価している」というコメントを出しました。

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