スマホとSNS:女子高校生が考える安全対策とは
毎日新聞 2015年02月06日 13時05分(最終更新 02月06日 15時52分)
高校生ら青少年がスマートフォン(スマホ)を介した犯罪やいじめなどトラブルに巻きこまれるケースが少なくない。そうしたなか、高校生自らがスマホやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の安全対策を考える動きが広がっている。
◇「必需品」でも危険
スマホやSNSを介したトラブルを避けるため自主的な取り組みをする大阪府高石市の羽衣学園高ボランティア部を訪ねた。2年生の小島里香さん(17)は「LINE(ライン)、ツイッター、フェイスブック、それにインスタ(グラム)、Vine(バイン)、ツイキャスかな」。自分たちが使うサービスを次々に挙げる。
小島さんは「親よりも自分たちのほうが詳しいし、家庭でもルールの話はしない。フィルタリングも大人になれば使わないから、いまするとスマホの使い方を知らないまま育ってしまうのでは」と疑問を投げかける。
同部の福井妙恵さん(16)は「午後10時以降の使用を禁止している家庭の話を聞いたけれど、自分だったらとても無理」とスマホが必需品と認めながらも、使い方を誤ればトラブルに巻き込まれることは理解している。
また岡崎咲也華さん(17)は「中学校の卒業式後にキスしていた写真を、友人にSNSに掲載された人たちが、高校から入学を断られたという話を聞いた。女子は気にするけど、男子のほうが勝手に載せてトラブルになる」と話した。
トラブルに遭わなくても、LINEの返事が遅いことなどで友人関係が気まずくなることもある。小島さんは「依存しすぎたり、使い方がおかしかったりするときは、相手に教える勇気が必要」というが、現実的には大変だ。
ボランティア部は、スマホやSNSのルールを作ったほか、具体的にどんなトラブルに遭う危険があるか疑似体験するアプリも制作。大高光央さん(17)は「スマホにはメリット、デメリット両方あるので、年齢が近い自分たちが発信したほうが効果的」と強調した。
◇押し付けでなく
大阪府は昨年12月、青少年自身がスマホの適切な使い方を話し合う「OSAKAスマホサミット」を開催した。府青少年課は「条例でルールを押し付けるのではなく、青少年自身が考え、ルールを作る機会を提供したい」としている。