【DeNA】松井氏、12年他界のキヨシの妻・仁美さんに恩返し 巨人以外で初視察
巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏(40)が5日、DeNAの沖縄・宜野湾キャンプを訪問した。中畑清監督(61)の熱烈オファーに応えての“ゴジラ上陸”。日本では巨人以外の球団初視察となったが、今回の訪問が12年に他界した中畑監督の妻・仁美さん(享年59)への恩返しであったことを明かした。報道陣の数が前日(4日)の36人から164人に膨れあがるなど、宜野湾は松井フィーバーに沸いた。
スーツの上に青いDeNAのジャンパー。冷たく強い海風に耐えながら、松井氏が“中畑チルドレン”の動きに目を凝らした。「最初はだいぶ違和感はあったけど、顔見知りもたくさんいたので、心地よく見させてもらった」。約5時間の視察を終え、笑顔で振り返った。
宮崎での巨人視察からこの日、沖縄に移動。正午前に球場入りすると、中畑監督に正面玄関で出迎えられ、グラウンドでもナイン総出で歓迎された。「今季は最低でもCSを目指して。応援しています」。初のクライマックスシリーズ進出に燃えるチームを激励した。
巨人入団時の打撃コーチだった中畑監督の執念で視察が実現した。昨年末、巨人軍・長嶋茂雄終身名誉監督を囲む食事会で再会、中畑監督が猛アタック。10回断り、11回目の電話でついにOKした。「最後は『恩を返せ』と言われたけど、そんなにお世話になっていない。でも、奥様には若い頃お世話になっていたので、恩返しをしただけです」
新人時代、連日中畑家を訪れ、地下室で特訓した。その時、胃袋を満たしてくれたのが、12年12月に子宮頸(けい)がんで急逝した仁美さんの手料理。ゴジラはその恩を忘れてはいなかった。
前夜、スマホを操って選手の顔と名前を予習した。フリー打撃を見つめ、筒香や乙坂と言葉を交わした。練習方法を質問してきた筒香には「打撃練習で左翼方向から打つのはいいこと」と助言。「(自分の)同じ年齢の頃を比べると、彼の方が柔らかい」と才能を認めた。「最後まで練習に付き合ってくれた。(寒さで)足震えてたけどね。ゴジラには(若い頃)餌をよく食わせていた。恩を返してくれて、女房にも感謝しているよ」。中畑監督はこう言って目尻を下げた。
この日の観客2000人は前日の約4倍だ。「年々、チーム力が上がっていて、今年CSに進出しても十分戦える」。松井氏はDeNAの勢いに太鼓判を押した。“ゴジラ来襲”に沸く宜野湾。3日間、魂をたっぷりと注入する。(太田 倫)