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宇宙誕生直後の膨張の痕跡 観測裏付けられず
1月31日 17時32分

宇宙誕生直後の膨張の痕跡 観測裏付けられず
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去年3月に発表され、宇宙が誕生直後に急激に膨張したという理論を裏付ける痕跡を観測したとして世界的な注目を集めた研究結果について、この研究を行ったアメリカの研究チームなどは改めて検証したところ、「観測を裏付けられなかった」として、事実上誤っていたと発表しました。

アメリカのハーバード大学などの研究チームは去年3月、南極に設置された望遠鏡で観測したデータを解析した結果、「重力波」と呼ばれる時間や空間の揺れが波のように伝わる現象の痕跡を、世界で初めて観測したと発表しました。
この研究結果は、およそ138億年前、宇宙が誕生直後に急激に膨張したという「インフレーション理論」を裏付けるものとして世界的な注目を集めましたが、その後一部の専門家から疑問視する声が上がっていました。
研究チームはESA=ヨーロッパ宇宙機関とともに新たに得られたデータを解析するなどして改めて検証してきましたが、その結果、「重力波の痕跡の観測を裏付けられなかった」として、研究結果は事実上誤っていたと発表しました。
重力波の痕跡を観測するには銀河に広がる「ちり」の影響を考慮する必要がありますが、「ちり」の影響をより精密に解析した結果、当初観測した波形が重力波の痕跡だとは言い切れなくなったと説明しています。
今回の結果は「インフレーション理論」を否定するものではなく、研究チームは「今後も重力波の探索は続く」とコメントしています。

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