【ジュネーブ=原克彦】世界保健機関(WHO)のエイルワード事務局長補は5日の記者会見で、西アフリカで感染が拡大したエボラ出血熱の対策資金が月末に底をつくことを明らかにした。減少傾向にあった新規感染者数は最新の集計で再び増加に転じた。感染者の早期隔離などで封じ込めは最終段階に近づいていたが、4月以降の雨期には対応が難しくなる可能性があるという。
WHOは昨年9月に10億ドル(約1170億円)の対策費が必要だとし、各国に拠出を要請。感染拡大で後に15億ドルに引き上げていた。これまでに10億ドルを確保したものの、月末には感染地で支援に当たる職員ら約800人に支給する手当などが不足するとみている。
2月1日までの1週間に感染が確認された患者は124人と前週の99人を上回った。新規感染者はリベリアで昨年9月以降、シエラレオネでも12月から大幅に減りつつあった。専門チームに任せず、隠れて死者を埋葬する際に遺体に触れるケースがなくならないためとみられる。
WHO、感染者