大阪観光局:音楽イベントで局長が覚書「損害は個人負担」

毎日新聞 2015年02月06日 12時12分(最終更新 02月06日 12時43分)

 大阪観光局が昨年4月に開催し、約9400万円の赤字を出した大阪国際音楽フェスティバル(インターナショナルジャズデイ)について、観光局の加納国雄局長と府などが「損害が生じた場合は加納氏個人らが負担する」との趣旨の覚書を事前に交わしていたことが分かった。松井一郎知事が6日、記者団に明らかにした。行政が関わる事業の損害を個人が負担するのは異例だ。松井知事は「局長が熱心に『やりたい』というので、府は補てんしないということだった」と説明した。

 赤字のうち2700万円を加納局長が負担し、議会で問題視された。覚書は昨年2月20日付で、松井知事、観光局の母体である大阪観光コンベンション協会理事長と加納氏個人が結んだ。松井知事によると、加納局長が「赤字にならない」と強く開催を主張し、松井知事が「責任も局長ですよ」と応じて結んだという。松井知事は「観客動員について局長の読みが甘くリスクヘッジできなかったが、大阪の観光戦略としてはプラスだった」と説明した。

 観光局は、松井知事と橋下徹大阪市長、関西経済3団体のトップが合意して2013年4月に設立し、府・市が年間計5億円を拠出している。橋下市長は、問題が発覚した昨年10月、「2年分の報酬を出した。自分の金を入れるのはすごい責任の取り方」と加納局長の自費負担を評価していた。【熊谷豪、松井聡】

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