動体視力の低下に関係するたんぱく質を大阪大の古川貴久教授らが発見した。動くものを目でとらえる能力は年を重ねるにつれて衰えるが、詳しい仕組みは分かっていなかった。動体視力は自動車の運転能力にも関わり、高齢ドライバーの問題解決などに役立ちそうだ。成果は米科学誌セル・リポーツ(電子版)に6日掲載される。
古川教授らは「4.1G」というたんぱく質が目の網膜に多く存在していることに注目した。遺伝子操作でこのたんぱく質を持たないマウスを作って網膜を観察したところ、目の細胞である視細胞が通常のマウスと異なっていた。老齢のマウスとよく似ており、動体視力は通常の半分以下になるなど低下していた。
たんぱく質が失われると動体視力が低下する恐れがある。たんぱく質を投与すれば、動体視力の低下を抑えられる可能性もあるという。
古川貴久、動体視力、大阪大