ミャンマー都市開発 日本も協力検討へ1月31日 7時10分
インド洋に面したミャンマー南部のダウェーに大規模な工業団地や港湾施設を整備する計画について、日本政府は30日、タイやミャンマーの政府と協議し、今後、資金面や技術面で具体的な協力の方法を検討していくことになりました。
ダウェーはインド洋に面したミャンマーの都市で、タイとミャンマーの政府は、ここに大規模な工業団地や港湾施設を整備することで、インドや中東などへの輸出拠点にしようと計画しています。
しかし、開発に多額の資金が必要なことから、両政府は日本の協力に期待しており、30日、バンコクで3か国による協議が開かれました。
この中では、タイとミャンマー側から、ことし6月にも日本円で2000億円余りをかけて第1期の工事を始める計画が示され、日本政府として資金面や技術面でどのような協力ができるか検討していくことになりました。
ダウェーは、多数の日本企業が進出しているタイの首都バンコクから西に250キロ余りと比較的近いことから、会議に出席した石黒経済産業審議官は「ダウェーはタイやASEAN地域における日本の産業集積が、さらにインドなど西側に発展するうえで、非常に重要な拠点になる」と開発のメリットを強調していました。
ダウェーの開発を巡っては、来月、日本を訪れる予定のタイのプラユット暫定首相も安倍総理大臣に直接、協力を求めるものとみられ、親日国であるタイとの外交関係の強化に向けた日本の対応が注目されます。
日本企業も視察
大規模な港湾施設や工業団地などの建設が予定されているミャンマー南部のダウェーを、日本企業の視察団が訪れ、開発に向けた現状と将来性を調査しました。
この視察はJETRO=日本貿易振興機構が主催したもので、大手のゼネコンや商社などおよそ30社の担当者が参加しました。
現在のダウェーには、小規模な港や工場があるだけですが、タイとミャンマーの政府は、およそ2万ヘクタールの敷地を開発して、輸出入に必要な港湾施設や発電所、それに工業団地などを整備することにしています。
予定地を訪れた視察団は、将来的には大型船が入港できる深さ20メートルの港が建設されることや、工業団地に必要な水の供給は近くにあるダムから受けられることなどについて説明を受けていました。
JETROの三橋敏宏機械・環境産業部長は「日本の企業にとっては新しい生産拠点を探す、あるいはこれまで日本が培ってきたインフラの技術を有効に活用できる。ポテンシャルの非常に大きい地域だと言える」と話していました。