アンマン=渡辺淳基、ワシントン=佐藤武嗣
2015年2月6日12時37分
ヨルダン軍は5日、戦闘機数十機が過激派組織「イスラム国」の訓練所や武器庫を空爆したと発表した。「イスラム国」が同軍パイロットの殺害映像を3日に公開したことに対する報復措置。昨年9月から米国主導の空爆作戦に参加しているが、パイロット殺害を機に軍事作戦の強化を求める声が高まっていた。
AP通信などによると、5日の空爆はシリアとイラク両国の「イスラム国」拠点に対し実施した。戦闘機は空爆後、殺害されたパイロットのムアーズ・カサースベ中尉の出身地であるヨルダン南部上空を飛行。アブドラ国王もパイロットの家族を訪れ、弔意を伝えたという。作戦には米軍の戦闘機も参加し、情報提供や偵察、攻撃の支援を行った。
国営テレビは軍の声明として、新たな作戦名を中尉の名をとって「ムアーズ」としたと報道。戦闘機が離陸する場面や標的が炎上する様子、兵士がミサイルに「イスラムの敵へ」と手書きする場面などを伝えた。軍は声明で「これはまだ始まりにすぎない。空爆は彼らを壊滅するまで続く」とした。ヨルダンのジュデ外相は米CNNに出演し、「これは我々の報復の始まりだ」と空爆を継続する考えを強調。「我々の持つすべての手段を使い、過激派を追い込む」とも語った。
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朝日新聞国際報道部
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