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» 2015年02月06日 08時29分 UPDATE

マクドナルド、世界中で客離れ……“同一商品”ビジネスに限界「変化に対応できず」 (1/2)

客離れが世界中のマクドナルドで進んでいる。全世界に同一商品を投入する創業以来のビジネスモデルでは柔軟性に欠け、各国で着々と築かれる「マック包囲網」に、スピーディーに対抗できなくなっているからだ。

[SankeiBiz]

 通期の連結営業損益が41年ぶりの赤字に沈んだ日本マクドナルドホールディングス(HD)。傷口を広げたのは中国産の期限切れ鶏肉問題だが、客離れは世界中のマックで進む。全世界に同一商品を投入する創業以来のビジネスモデルでは柔軟性に欠け、各国で着々と築かれる「マック包囲網」に、スピーディーに対抗できなくなっているからだ。苦境を脱するには、事業構造の抜本的な改革が求められるが、ハードルは高い。

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 「信頼回復を進めると同時に、創業の原点に戻って、客とつながる『モダンバーガーレストラン』を目指す。メニュー、価格、店舗体験の3つを重視していきたい」。5日の決算会見で、サラ・カサノバ社長はこう述べ、国内の挽回に向けた決意を述べた。

 ただ、業績悪化は日本だけでない。米マクドナルドによると、2014年の「世界の既存店売上高」は前年比1.0%減と、02年以来、12年ぶりのマイナス。地域別の14年10〜12月期の営業利益は、アジア太平洋(中東・アフリカ含む)が44%減、米国が15%減、欧州が14%減だった。

 この背景について、日本経済大経営学部の西村尚純教授は「コストを抑えるため世界で大量に食材を仕入れ、同じメニューを安く投入するモデルでは、競合が次々と打ち出す戦略や、消費傾向の変化に対応できなくなっている」と指摘する。

 米国では、新興の高級バーガーチェーンがトランス脂肪酸を使わないフライドポテトなどで「健康志向」を効果的にアピールし、若い客を奪う。既存のバーガーチェーンや、スーパーなどの他業態も、食品メニューを強化している。

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