国大図協シンポジウム分科会20150128ブログ用

83
views

Published on

国大図協シンポジウム分科会20150128ブログ用

国大図協シンポジウム分科会20150128ブログ用

Published in: Education

0 Comments
2 Likes
Statistics
Notes
  • Be the first to comment

No Downloads
Views
Total Views
83
On Slideshare
0
From Embeds
0
Number of Embeds
2
Actions
Shares
0
Downloads
2
Comments
0
Likes
2
Embeds 0
No embeds

Report content
Flagged as inappropriate Flag as inappropriate
Flag as inappropriate

Select your reason for flagging this presentation as inappropriate.

Cancel
No notes for slide

Transcript

  • 1. 学生が何をどのように 勉強しているかを知るには? -Yaleでの調査報告- 千葉大学附属図書館学術コンテンツ課 谷 奈穂 平成26年度国立大学図書館協会シンポジウム 分科会(名古屋大学附属図書館 2015.1.28)
  • 2. 自己紹介 ・千葉大図書館亥鼻分館(医学系)勤務 ・就職4年目(分館勤務は1年目) ・2013年~利用者調査(次スライドで説明)のプ ロジェクトに参加 ・2014年10月、Yale、UMassに海外派遣 (H26年度国立大学図書館協会海外派遣事業) 今回、谷はYaleでの見聞から 考えたことについて話をします。
  • 3. 千葉大学、アカデミック・リンク・センター での利用者調査 (2013年度第5回ALCセミナープログラムより) 1.千葉大生の学習状況・学習時間・学習環境利用の現状 :学生アン ケート調査からみた学習状況分析 2.新しい学習環境とコンテンツは、どのように行動に結びついたか : フォーカス・グループ・インタビュー 3.新しい学習空間はどのように利用されているか:定点観測カメラ調 査 4.新しい学習空間で資料はどのように利用されているか :館内での 資料利用調査 (授業資料ナビ、ブックトラック調査 5.『学習』を促す「環境」・「コンテンツ」・「サービス」とは? :学生撮影 写真とインタビュー(フォトボイスインタビュー)にみる『学習』の広がり 谷は2と5に参加 セミナー記録へのリンク http://alc.chiba- u.jp/seminar/report2013_05.html
  • 4. Q.学生が何をどのように 勉強しているかを知るには? ↓ A.学生にきく
  • 5. ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように 勉強しているかを知る
  • 6. ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように 勉強しているかを知る ↓
  • 7. ・問いを立てる ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する
  • 8. ・問いを立てる ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する
  • 9. ・ガイダンスに人を集めたい ・データベースを使いこなしてほしい ・企画展示に来てほしい ・論文をすぐに探せるようになってほしい ・図書館でものを食べないでほしい …んだけど、どうしよう? 学生の人、どう思うー? 図書館の人 問いを立てる
  • 10. 問いを立てる 学生の人 知らん。
  • 11. ・図書館の中だけの問題になっている ・図書館のための質問になっている ・学生を変えようとしている 問いを立てる
  • 12. ・うちの●○分野の院生って ほかの分野と比べて修了遅いな… ・◇◆学部の就職率が年々落ちてる… ・全学のアンケート見ると、 大学に勉強スペースが少ないって 意見が一年生に多いな… なんでだろう?学生にきいてみよう。 図書館としてできることは何かな? 図書館の人 問いを立てる
  • 13. ・学生や大学全体についての問題を考えている ・図書館を変えようとしている 問いを立てる
  • 14. ・問いを立てる ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する
  • 15. ・うちの●○分野の院生って ほかの分野と比べて修了遅いな… ・◇◆学部の就職率が年々落ちてる… ・全学のアンケート見ると、 大学に勉強スペースが少ないって 意見が一年生に多いな… 学生の人、なんでだと思うー? 図書館の人 学生にきく
  • 16. 学生の人 (まあ確かにそう思うこ とはあるけど…) よくわからん。 学生にきく
  • 17. ・「なぜ?」に対する答えを考えるのは学生では なく自分(=ここでは図書館の人)。 ・あくまでそのための材料として「学生が何をど のように勉強しているかを知る」。 ・学生に聞くのは「あなたは、普段、何をどう やって勉強しているのか?」 (×図書館をどのように使っているのか) 学生にきく
  • 18. ・問いを立てる ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する
  • 19. 学生に「あなたは、普段、何をどうやって 勉強しているのか?」を聞く ↓ 学生の発言を分析する ↓ 学生が困っていること、不満に思っている こと、便利に使っているもの、不足してい るもの…などなどを発見する 学生が何をどのように勉強しているか を知る
  • 20. どうやって? ・アンケート(量的調査)だけ? ・インタビュー(質的調査)だけ? →併用する。 学生が何をどのように勉強しているか を知る 調査手法によって 調べられる事柄は違う。
  • 21. 誰が? ・図書館員だけ? +調査(≠図書館情報学)のプロ(質問のつくりかた、質問 の仕方、分析の仕方) +図書館員以外の人(他の人の目、図書館だけの調査で はなくなる) ・「大学全体」についての問い→得られる結果は大学全体に かかわること→関係する学内他部署(学務、情報…)の人も 最初から調査に関わっていれば、改善できる項目が多くな る(図書館だけで解決しようとしない) 学生が何をどのように勉強しているか を知る
  • 22. ・問いを立てる ↓ ・学生にきく ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する
  • 23. 調査が終わればそれで終了? ・結果をふまえて何かを変えること →学生にとって「改善された」と感じなけれ ば信頼されなくなる。 図書館ではどうすればいいか考え、実 践する
  • 24. • @Yale Interview with Ms. Denise HERSEY 問いを立てる →人文科学の博士課程学生 (Ph.D.h)の課程の修了が他 の分野と比べて遅いようだ。 なぜこのようなことが起こっ ているのか?図書館として 何かできることは?
  • 25. • (調査メンバー)図書館員11人+人類学者(Nancy Fries Foster)。 • (対象)Ph.D.h 33人 • (手法)事前アンケート+インタビュー。 • (分析)定期的にミーティングを行い、発言につい て分析。 調査の概要
  • 26. • (対象の募集方法)学部長から学生にアナウンスしてもら い、興味のある学生を集めた。謝礼あり。 • (調査メンバー)人類学者のNancy Fried Fosterからは調査 方法や質問の作成の仕方、質問の仕方についてレク チャー(丸2日)を受けた。全員こうした調査は初めて。 • (調査手法)基本情報について事前にオンラインでアン ケート。その後1人1時間程度のインタビュー。結果は書 き起こし、セクションごとに切り取り、カード化して整理。結 果を分析するために毎週ミーティング。 • グループのみで資料の共有ができるソフトウェアを利用し てインタビュー情報等の共有をおこなう。 • 個人情報保護については、各データにコードを付与して 個人が特定できないようにしている。 もっと具体的に
  • 27. • 学生は自宅で勉強することを好む • 春季休業中、学部生がいない時期(=大学院生が集中 できる時期)に図書館が早く閉館する • 学生たちはデータベースで論文を検索するよりも、他の 人の論文や本の章からの引用文献を探す傾向がある。 • 調査のために海外へ行く必要がある。準備やその後の まとめも含め多くの時間と労力がかかる。 • 博士論文執筆前に十分なトレーニングを受けられていな い状態でいきなり大部な論文を書かなくてはならない。 調査の結果(一部)
  • 28. • 学生は自宅で勉強することを好む →自宅にいながら資料が入手できるようにするには? • 春季休業中、学部生がいない時期(=大学院生が集中できる時 期)に図書館が早く閉館する →開館時間を見直す? • 学生たちはデータベースで論文を検索するよりも、他の人の論文 や本の章からの引用文献を探す傾向がある。 →より実態に即したガイダンスを考える? • 調査のために海外へ行く必要がある。準備やその後のまとめも含 め多くの時間と労力がかかる。 →海外渡航への相談に乗る? 結果を受けて(図書館ではどうすればいい か考え、実践する) ここに「→」で書いた解決策案 は谷が考えたもの。 Yaleでは検討中とのことでした。
  • 29. • @Yale Interview with Ms. Emily FERRIGNO 問いを立てる →School of music(SoM)の学 生はどんなサービスを必要と しているのか?図書館として 何ができるのか?(学生に とって必要な存在でありた い)
  • 30. • (調査メンバー)図書館員1人(Emilyのみ)+SoM の学生3人。 • (対象)SoMの学生40人 • (手法)事前アンケート+インタビュー(インタビュ アーは学生のみ)。 • (分析)学生たちとミーティングを行い、学生の発 言について分析。 調査の概要
  • 31. 調査の結果(一部) • 図書館の資料はあまり使わない。 • そもそも図書館にあまり来ない。楽器を演奏する場所も スコアを印刷する機械もないので、滞在しない。 • むしろSoMのラウンジでくつろいでいることが多い。
  • 32. • 図書館の資料はあまり使わない。 →2階にあった雑誌を1階に移動。学生たちはその存在に気がつ き、手にとって見るようになった。 • そもそも図書館にあまり来ない。楽器を演奏する場所もスコアを印 刷する機械もないので、滞在しない。 • むしろSoMのラウンジでくつろいでいることが多い。 →図書館内にもラウンジのスペースを準備 →学生を図書館にひっぱってくるのではなく、図書館員自身が SoMに出向いてリソースの紹介などをおこなうEmbedded librarianshipを計画中 結果を受けて(図書館ではどうすれば いいか考え、実践する) ここに「→」で書いた解決策は 実際にYaleでやっていること。
  • 33. ・問いを立てる (「学生」「大学」に目を向ける) ↓ ・学生にきく (学生自身のことをきく) ↓ ・学生が何をどのように勉強しているかを知る (調査にはプロの手と図書館員以外の目) ↓ ・図書館ではどうすればいいか考え、実践する (調査だけに終わらない) その調査は何のため(=学生 のため、図書館を変えるため) のものか、忘れないこと。