家から50メートルの凶行 男児死亡知らされ親友絶句
朝日新聞デジタル 2月5日(木)23時21分配信
また子どもが犠牲になる事件が起きた。和歌山県紀の川市で5日に起きた小学5年男児の殺害事件。のどかな住宅地で起きた突然の凶行に、住民らは「一体何が起こったのか」と言葉を失った。男児を襲ったとみられる男は徒歩で逃げたといい、近くの人たちは家にこもり、不安に包まれた。
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「子どもが血まみれで倒れている」。那賀消防組合によると、紀の川市後田(しれだ)の住民から119番通報があったのは5日午後4時19分ごろ。森田都史(とし)君(11)は自宅から50メートル足らずの空き地の中央で倒れていたという。約9分後に救急隊が現場に到着すると、森田君は胸から血を流し、心肺停止の状態だった。心臓マッサージを約30分間施したが回復しなかった。
森田君の親友という同級生の男児(11)は、小学校の連絡網で森田君が亡くなったと知った。「びっくりした……」と語り、正座したまま、うつむいて言葉が続かなかった。男児によると、5日は授業参観があり、こんにゃくを保護者と作って食べた。
森田君はいたずら好きで活発な子だったという。「都史と一緒に遊ぶのが楽しかった」。男児の父親(38)は「直近の週末も息子たちは遊んでいたので実感がわかない」と語った。
県警などによると、森田君は父親と兄(12)との3人暮らし。元々名手小学校に通っており、いったん転校したが今年1月から再び名手小に通うようになったばかりだった。
同じクラスの女児(11)の母親はこの日の授業参観で、久しぶりに会った森田君に「大きなったね」と声をかけると、笑顔を返してくれたという。「信じられない。引っ越して戻ってきたばかりだったのに」
朝日新聞社
最終更新:2月6日(金)8時21分