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『ジュラシック・ワールド』の宣伝サイトが「まるで本物」

『ジュラシック・ワールド』の宣伝サイトは凝っている。恐竜が脱走して破壊される前の島の日常を、あちこちに設置された監視カメラで観察できる設定のサイトや、本物そっくりの企業宣伝動画を紹介。

 
 
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TEXT BY MATT KAMEN
PHOTO BY UNIVERSAL
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO

WIRED NEWS(UK)

JworldSite

映画の宣伝サイト自体は目新しいものではない。少なくとも1996年公開のアニメ映画『スペース・ジャム』以来、ほぼすべての映画に宣伝サイトが存在する。だが、『ジュラシック・ワールド』の場合はもう少し凝っていて、映画を取り巻く二次的な物語をつくり出している。遺伝子操作されたキメラ恐竜が脱走して何もかも駄目になる前のイスラ・ヌブラル島の日常を観察できるのだ。

このサイト(日本語版はこちら)には、「ライヴ」映像が用意されている。その多くは、イスラ・ヌブラル島のあちこちに設置された監視カメラで撮影されたものだ。

退屈な映像も多々ある。従業員のありふれた昼食風景を捉えた「Employee Break Room(従業員休憩室)」の映像は刺激的だ! 保全要員が通り過ぎるだけの「Maintenance Alley 6(第6保守点検路)」映像の素晴らしさにも、息を飲むはずだ。

とはいえ、こうした映像も、このパークが実在すると印象付けるのには役立つと思われる。しかしさらに興味深いのは、恐竜のクローンがつくられる「Creation Lab(創造ラボ)」や、「T-rex Paddock(ティラノサウルス・レックス用運動場)」のような映像だ。

サイトには、科学者が先史時代の恐竜に命を吹き込む過程を示したガイドや、パークの創設者であるジョン・ハモンド(1993年公開のシリーズ第1作『ジュラシック・パーク』でリチャード・アッテンボローが演じた役柄だ)のプロフィール、恐竜そのものに関する情報などのページもいくつか含まれている。

さらには、イスラ・ヌブラル島で休暇を過ごすための「予約ガイド」まである。あらかじめ言っておくと、今年の休暇をこの島で過ごす計画を立てるのは賢明なことではないだろう。だが、“心底おかしな”ユーザーレヴューを書くとボーナスポイントがもらえる。

ジュラシック・ワールドを所有する架空の会社「Masrani Global」(ジョン・ハモンドが創業したインジェン社を買収したという設定)の「公式サイト」にある同社の宣伝動画。

「Masrani Global」公式サイトの内部を紹介する動画。

このサイトは、少なくともこの映画に関する情報にアクセスするのに十分なくらい、没入できる。ただし、腹が立つことに、ホームページは誰でも閲覧できるが、英国版は現在、動画映像は読み込まれず、ロックアイコンと「coming soon(近日公開)」のメッセージが表示されるだけだ(日本語版も同じ)。

映画の宣伝用なのに地域によっ“てロックアウト”するなんて、配給元のUniversal社は奇妙な決定を下したものだ。英国と米国での公開日が同じなのだから、なおさらだ。ただし、ブラウザーのVPNアドオンを利用すれば、このページが公式に公開されるまでの間も、パーク内の様子をくまなく見ることができる。

なお、映画のほうは、コリン・トレボロウが監督を務め、アメコミヒーロー映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラットと『ターミネーター4』のブライス・ダラス・ハワードが出演する。

関連記事:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の宇宙船のつくりかた

 
 
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