東京大学の『学生生活実態調査』から,東大生の家庭環境を知ることができます。前々回は家庭の年収をみましたが,今回は父母の職業をみてみましょう。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu05/h05_j.html
参照したのは,学部学生を対象とした2012年調査のデータです。これに載っている東大生の父母の職業分布を,45~54歳男女全体のそれと照らし合わせてみました。後者は,大学生くらいの子どもがいる年代の男女です。この一般群のデータは,2012年の総務省『就業構造基本調査』から作成しました。
下表は,東大生の父親と45~54歳男性全体,東大生の母親と45~54歳女性全体の職業分布(%)を並べたものです。
東大生の父母は,一般群に比べて管理職と専門・技術職従事者が多くなっています。東大生の父親では管理職が実に43.4%も占めており,一般群のわずか3.4%とはえらい違いです。企業経営者なども多いことでしょう。この層から東大生が出る確率は,通常期待されるよりも13倍近く高いことになります。
母親でも管理職と専門・技術職の優位性が目立っていますが,東大生の母親では無職(≒専業主婦)が39.5%と最多です。へえ,付きっきりで勉強をみてきた母親が多いのでしょうか。私もですが,某雑誌の編集者さんも驚いていました。
では,例によって,上表のデータをグラフにしましょう。前々回の年収と同様,タテの帯グラフにします。
注目すべきは,父親の管理職比と母親の主婦比の高さでしょうか。先の記事で東大生の家庭の57%が年収950万超であることを知ったのですが,今回の職業分布をみるとさもありなんです。見事にリンクしています。
最高峰の東京大学学生の階層的閉鎖性。今日でもはっきりと可視化されます。
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