イスラム国事件 ヨルダン軍“首都”ラッカに報復空爆 指揮官ら55人殺害か
産経新聞 2月6日(金)0時2分配信
【アンマン=吉村英輝、カイロ=大内清】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)を殺害したとする映像を公開したことを受け、ヨルダン空軍は5日までにイスラム国に対する空爆を強化した。事実上の報復とみられる。
ヨルダン政府幹部は、同国空軍が米国と協力の上、イスラム国が“首都”と称するシリア北部ラッカで空爆を始めたと地元メディアに明らかにした。ラッカ周辺はカサスベ中尉が空爆したと伝えられる地域で、幹部は「中尉殺害を受けた空爆だ」という見方を示した。
また、イラクからの報道によると、ヨルダン軍は5日までにイスラム国の拠点都市であるイラク北部モスル周辺を空爆し、イスラム国の指揮官を含む少なくとも55人が死亡したもようだ。
ヨルダンのアブドラ国王は5日、カサスベ中尉の出身地である同国中部カラクを訪れ、中尉の父らと面会し弔意を表した。国王は中尉を殺害したとする映像の公開を受け、訪米日程を切り上げて4日に帰国。すぐに国軍幹部を集め、「英雄であるカサスベ中尉が流した血を無駄にしない」と述べた。イスラム国との戦闘は「無慈悲なものになるだろう」と壊滅する方針も示したという。
ロイター通信によると、米高官は4日、イスラム国に対する有志連合の空爆作戦に参加していたアラブ首長国連邦(UAE)が、カサスベ中尉が拘束されたことを受け、昨年12月から空爆などの作戦参加を停止していると述べた。
新型輸送機オスプレイの投入など、米軍が態勢を強化することを再開の条件に挙げているという。
最終更新:2月6日(金)0時24分
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