日々食べ物の取材をしていると、思わぬ発見をすることがある。世の中に存在する料理の多くが、改良され尽くし、これ以上進化する余地はないと思う。しかし、それでも日夜進化しているのである。東京・神宮前の「MOKUBAZA」のカレーライスもまた、進化した料理といって良いかもしれない。
カレーライスといえば、日本の国民食であり、どこにも進化する余地がなさそうに思うのだが、同店のキーマカレーはキーマカレーでありながら、ほかでは食べることのできない逸品である。まずそのルックスに衝撃を受ける。従来のカレーライスの概念を覆すような見た目。まるでパンケーキのようにさえ見えてしまうのだ。
・迷子になってしまった
お店はとてもアクセスの悪い場所にある。私(佐藤)はお店のホームページに掲載されている地図を頼りに、原宿から歩いたのだが、迷子になってしまった。もしお店に行ってみたいという人は、マップアプリに住所を入力して、活用することをおすすめする。ホームページの地図は簡略化されすぎており、それだけを頼りに辿り着くのは難しかった……。
・外観からすでに癒しが漂う
右往左往した挙句、ようやくお店を発見。ウッディーな外観から癒しの雰囲気が伝わってくる。夜はバーとして営業しているそうなのだが、夜はまた格別なのではないだろうか。温かみのある佇まいに、入る前から長居したいと思ってしまった。
・チーズキーマしかないだろ!
私が注文したのは、メニューのなかでもっともウマそうに見えたチーズキーマカレーである。ルックスが私の知っているキーマカレーではなかった。未知のものでありながら、ウマそうな雰囲気がひしひしと伝わってくる。コレだ! コレしかないだろ!!
・美しきスノードーム
しばらく待っていると、キターッ! いまだかつて見たことがないキーマカレーが。それはまるでスノードームである。卵黄とチーズの照りが美しく、窓から射す陽光に照らされて光輝いている。これがカレーと言われても、にわかには信じがたいのだが、食べてみると間違いなくカレーだ。
・研究成果のキーマカレー
お店は当初、バーとして開業したそうなのだが、このカレーが好評でランチ営業するようになったという。そもそもそのカレーへのこだわりがハンパではない。夜食べてももたれないように考慮して、化学調味料・人工添加物を一切使わずに厳選した素材とスパイスを20時間以上煮込んでいるという。しかも、メニュー考案時に食品会社の研究室出身のスタッフと研究を重ねたというから、考え尽くされているのである。
・焼きカレーも気になる
おそらく野菜の水分と肉の脂分だけを使っているのではないだろうか。旨味が凝縮されており、わずかな量でもしっかりとカレー本来の味を堪能することができる。時折クローブのガツンとした刺激に出会うのだが、これが心地いい。その刺激をモッツァレラチーズと卵黄が和らげている。見た目のインパクトが非常に強いのだが、味のインパクトもなかなかのもの。もっとアクセスが良ければ通いたくなる。
ちなみにこちらは焼きカレーも人気とのこと。きっと焼いてもウマいに違いないはず。常連客は毎回どちらを食べるか、頭を悩ませているに違いない。
・今回紹介した店舗の情報
店名:MOKUBAZA
住所:東京都渋谷区神宮前2-28-12 1F
営業時間:ランチ営業 火~土11:30~15:00、バー営業 月~木19:30~23:30 金・土19:30~25:00
(月・日・祝 ランチ休み)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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