プラットフォーム文化:
明暗を分けるAirbnbとUber

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空き部屋仲介のAirbnbと、配車サービスのUber――多くの共通点を持つ両社だが、今後の命運を分かつかもしれない決定的な違いがあるという。それはサービス提供者たちとの間に築く「プラットフォーム文化」へのスタンスだ。

 

 2014年11月、配車サービス会社Uber (ウーバー)の上級幹部は、自社に批判的なジャーナリストを身辺調査することをほのめかし、メディアの猛反発に遭った(英語記事。この幹部はオフレコの夕食会で、同社への批判記事を書いた女性記者の私生活や家族を調査するために専門家チームを雇うことを検討していると述べた。同席したバズフィードの編集者が、オフレコと知らずにこのコメントを報道)。実際に同社のマネジャーは「ゴッド・ビュー」と呼ばれる自社の追跡ツールで、ある記者の動向を追跡していた(英語記事)。

 同じ頃、空き部屋の貸し借りを仲介するAirbnb (エアビーアンドビー)は、最も成果を上げている1500人以上の空き部屋提供者(ホスト)を集め、説明会と激励会を兼ねた同社初の「エアビーアンドビー・オープン」を開催していた(英語記事)。ホスト経験の豊富なある参加者は、この集いを化粧品メーカーのメアリー・ケイのイベントになぞらえ魅力を称えた(同社は毎年、美容部員や販売責任者を対象に表彰やセミナーを行う大規模なイベントを開催)。

 私のツイッターのタイムラインは、#AirbndOpenのハッシュタグ付きで投稿された、ホストへのギフト付きプログラム、食料品の寄付活動の報告、会社の新しいロゴを型取ったブランコなどを喜ぶツイートで埋め尽くされた。それはUberのスキャンダルを皮肉った、#Ubergate付きの陰惨なツイートの数々とは明らかに好対照だった。

 この対照的な出来事は、AirbnbとUberがともに新たな組織のあり方、つまりプラットフォームを築いているという共通点を考えるときわめて興味深い。それは企業と市場の融合体であり、自社の名を冠したブランドでサービスを提供していながら、実際にはサービス提供者を雇っておらず、提供する資産も所有していない。

 長期的な成功に欠かせないのは、適切な「プラットフォーム文化」――サービス提供者間で共有される規範、価値観、ケイパビリティ(能力・適性)――をつくることだ。これは組織文化と似て非なるもので、従来の従業員管理で使われた指揮系統や社会的制度を伴わない。マーケットリーダーが両極のアプローチを用いているという事実は、プラットフォーム文化の構築においてどんなやり方が機能するのか、または機能しないのかを示す格好の題材である。

 共有型経済を代表する両プラットフォームの共通点は多い。社会にすでに存在する資産を活用し、デジタルを介したP2P(個人間)のサービスを運営し、(連邦政府ではなく)地方自治体による規制を受けている。規制当局や既得権益者たちの激しい反発に直面しながら、ベンチャー・キャピタルから巨額の資金を集め、数百億ドル規模の時価総額を維持している。政府との関係構築に尽力し、Uberはオバマ大統領の選挙参謀を務めたデイビッド・プラフ、Airbnbは上院議員の主任顧問や首席補佐官を歴任したデイビッド・ハントマンといった大物を雇っている。両社とも業界トップシェアを誇り、そのブランドは世間に浸透している。私たちはAirbnbを利用して旅行し、Uberを使って商談に出向く。数え切れないほどのベンチャー企業がAirbnbやUberになろうと熱望している。

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