女の子だからといってピンクを押しつけるのはダメだけど、ジェンダーフリーだからと言ってピンクを排除するのもダメなわけで、本人がベルメゾンのホームページでトレーナーのカラーバリエーションを見ながら「これ!これほしい!」と言ってピンク地にケーキのプリントがされたトレーナーを選択したら、それを買ってあげなければかわいそうだろう、というわけで、結構服を2歳児に選ばせたりしているのですが、自分の娘を見ていて思うのは「性差にできるだけとらわれないような文化的マテリアルを選んで与えるようにしているのに、少なくともうちの子は女が好きそうなものを好むなあ」ということです。
娘の好きな遊びはお人形のお世話で、毎日メルちゃんを抱っこして、色々と世話を焼いている。昔、自分が若い頃におもちゃ売り場でメルちゃん的な人形(ぽぽちゃんだったかも)を見かけたとき、商品のパッケージに「母性を自然に育むためにお人形遊びを」とかなんとか書いてあって、「オエー」と思ったんだけど、実際に幼児を前にしてみると、少なくともうちの娘はお世話したい欲求が強くて、それを「母性を育む?余計なお世話です!母性は神話です!バタンテールくらい読んどけ!!!」とかなんとか言って抑え込むのはよくないであろうから、お人形を買い与えたのだけど、大変にかわいがっている。最近好きなアニメはアイカツである。
一方で、一般的に男児から支持を集めるもの、車や電車などの乗り物に関するリテラシーは低い。最近は電車とバスと新幹線と自動車の区別がつくようになってきたけど、2歳になりたての頃は、ゾウとカバの区別はつくのに電車をみて「ブーブー!」と言っていた、「きかんしゃトーマス」のことはバスだと言っていたし、男児は2歳だと電車の路線名まで覚えると聞いていたのに、このリテラシーの低さは何か。幼児用の図鑑を見ていても、動物のページは一つ一つ指さして動物の名前を言っていくのに、乗り物のページは「あ、のりもの」と一言で総括して飛ばしてしまう。クリスマスプレゼントにはメルちゃんの救急車に変形するお医者さんセットをあげたのだけど、娘はこれを「メルちゃんのしょーぼーしゃ!」と称している。女だから救急車と消防車の区別もつかないのだろうか。文化的性差とはなんなのか。わたしが信じていたものは間違っていたのか。しかし車が大好きな女児も、お人形遊びが大好きな男児もいるから、大事なのは本人の持つ興味を肯定してやることであって、子供の性別に関わらず、お人形に興味を示している子はお人形で遊ばせたらいいし、車に興味を示している子は車で遊ばせたらいい、ということが真のジェンダーフリーであろう。うちの娘がアイカツの変身?シーンを食い入るように見つめ、お人形を乗せたベビーカーを押して歩いているのも、ジェンダーというよりは個性なのだと思います、たぶん。
あ、ちなみに、冒頭の質問に対するお母さんの回答は「女の人は気分にムラがあるから、毎日同じ品質のものを作らなければならない職人的な仕事は向いていないからじゃないの?」というもので、それを聞いたわたしは「なにそれいみわかんないし……」と思いました。
メルちゃん おせわパーツ びょういんになっちゃう! うさぎさんきゅうきゅうしゃ
- 出版社/メーカー: パイロットインキ
- 発売日: 2014/08/02
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
クリスマスプレゼントに買ったお医者さんセット。メルちゃんのグッズはこれでもかというほどピンク・ウサギ・イチゴ・リボンなどのモチーフ推しで、女児以外のユーザーを全く想定していません、という意気込みが感じられます。どちらかというとぽぽちゃんの方がグッズのデザインが地味で、男児でも手に取りやすいのでは?と思います。