山P「衝撃与える作品に」野島伸司版「アルジャーノンに花束を」主演

2015年2月6日6時0分  スポーツ報知
  • 「ダニエル・キイス/小尾芙佐訳『アルジャーノンに花束を』(ハヤカワ書房)」
  • 「ダニエル・キイス/小尾芙佐訳『アルジャーノンに花束を』(ハヤカワ書房)」

 俳優で歌手の山下智久(29)が、4月スタートのTBS系連続ドラマ「アルジャーノンに花束を」(金曜・後10時)に主演することが5日、分かった。突然天才になった知的障害者の悲哀を描いた米作家ダニエル・キイス氏のベストセラー同名小説の映像化で、日本を代表する野島伸司氏(51)が脚本監修を務める。

 山下が、世界的名作の主人公を演じる。幼児並みの知能の知的障害者の青年が、白ネズミのアルジャーノンと同じ脳手術を受けて天才になる一方で苦悩も抱えるという難役。「まったく新しい役柄。みなさんにこういう役をやるんだっていう、いい驚きを、衝撃を与えられるような作品になればと思っています」と並々ならぬ決意を語った。

 1959年に発表された原作は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞した世界的名作で、日本でも累計発行部数320万部のベストセラー。今回は、設定を現代の日本に置き換え、“野島版アルジャーノン”としてドラマ化される。主人公は少年刑務所入所歴があるなど事情のある若者が集まる生花配送センターで働く28歳の白鳥咲人という設定で、友情もひとつのキーワードになるという。

 英語の原作を読み込み、海外の映画化作品もチェックしたという山下は「頭がよくなることで今まで見えてなかったものが見えてきたり、見えないことの方が幸せなのか。知りすぎるのは怖いなと受け止めました」。また、知的障害者のための就労支援施設を訪れ、風船を詰める作業などに参加し、昼食も共にした。「みなさん純粋な子供のよう。60歳を過ぎたおばあちゃんが少女のようなキラキラした表情で絵を描いてくれた。忘れていたピュアさを思い出させてもらったし、また行きたいと思いました。すごく楽しい時間でした」。その経験を役作りに生かし、「2役みたいなもの」という手術前後の劇的な変化も意識して収録に臨んでいる。

 「高校教師」(93年)や「聖者の行進」(98年)など人間愛を根底に挑戦的なテーマを手掛けてきた野島氏は「役者として1人2役を演じるような、なおかつその繊細に変わりゆく姿すら演じるという最高難度の芝居が要求される。山下君なら越えてくれると信じてます」と期待の高さを口にしている。

 ◆企画初期に原作者死去

 海外で3度映画化された原作は、国内では02年にフジテレビ系でユースケ・サンタマリア(43)主演で連続ドラマ化された。「24人のビリー・ミリガン」などでも知られるダニエル・キイス氏は昨年6月死去。野島氏との企画初期段階で訃報を知ったTBSの韓哲プロデューサーは「僕らにとって改めてこの作品を知らない世代に届ける意味は大きいんじゃないかと思った」と話している。

ジャニーズ
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