ヨルダンがイスラム国に報復空爆、CNN報じる
2015年2月5日22時51分 スポーツ報知
国営ヨルダン・テレビによると、ヨルダン軍は5日、シリアで過激派「イスラム国」の複数の標的に対して空爆を行った。イスラム国に拘束されていた軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)の殺害映像が3日に公開された後、ヨルダン軍による空爆は初めてで、事実上の報復。米CNNテレビは米軍も作戦を支援したと報じた。
国営ヨルダン・テレビは「任務を完遂した戦闘機」が中尉の故郷カラクと首都アンマン上空を飛行したと報じた。当時、アブドラ国王がカラクで中尉の家族を弔問中で、愛国心高揚を図り、国民が結束してイスラム国に対決するムードを演出する狙いがあるとみられる。
英字紙ヨルダン・タイムズは空爆対象について、イスラム国の「首都」とされるシリア北部ラッカだと伝えた。
ヨルダンは、中尉が昨年12月24日に戦闘機墜落のためイスラム国に拘束された後、中尉に危害が加えられる懸念などから空爆を中断してきたとされる。アブドラ国王は4日、イスラム国を「イスラム教とその価値観に戦いを仕掛けているテロ組織」と激しく批判し「容赦ない」戦いを進める方針を表明していた。
米紙ニューヨーク・タイムズは3日、対イスラム国の有志国連合のメンバーであるアラブ首長国連邦(UAE)が中尉の拘束以降、空爆を停止していると報じた。ヨルダンの空爆は有志国の結束の乱れを懸念する米国にも「援軍」となる。(共同)