お先マックら赤字218億円
日本マクドナルドホールディングスは5日、2014年12月連結決算で過去最大となる218億円の赤字(純利益)を計上したと発表した。11年ぶりの赤字で、対前年比でマイナス269億円。外食産業史上最大級の大幅転落となった。
客足が急速に遠のいている現実は、衝撃の数字となって表れた。本業のもうけを示す営業損益は41年ぶりの赤字。売上高は前期比14・6%減の2223億円にと6年連続の減収。昨年7月、チキンマックナゲットの原材料の仕入れ先だった中国の食品加工会社が期限切れの鶏肉を使用していた問題が発覚。ナゲットの販売を一時中止するなど騒動に発展した影響を受け、低価格・大量出店路線が失敗した03年以来の赤字となった。
さらに今年1月には、大阪府の店舗で販売したフライドポテトに人の歯が交ざっていたケースなど異物混入問題が次々と発覚。同月の既存店売上高は前年同月と比べて38・6%減少した。12か月連続で前年実績を下回り、01年の上場以来最大の落ち込み幅。来店客数も3割減った。15年12月期の連結決算の業績予想は異物混入問題の影響が見通せないとして、明らかにしなかった。
会見に臨んだサラ・カサノバ社長は、異物混入問題を初めて謝罪し「これまで以上に商品の安全性と品質を高める努力が必要だと痛感している」としながら「信頼回復は一晩ではできないが、もう一度、客に(商品が)好きだと言ってもらえるよう、継続的な努力が欠かせない」と語った。今後は各地の店舗を回り、顧客や店員と対話する機会を設けるとした。
業績改善に向け、今後は従来の家族向けの戦略を脱却し、ビジネスマンなど幅広い層の取り込みを目指す。「清潔で居心地がいい」と認定する店を現在の25%から2018年までに9割に増やす計画だ。
◆日本マクドナルド最近の動き
▼03年3月 創業者の藤田田氏が会長退任
▼04年2月 原田泳幸氏が社長就任
▼06年1月 「えびフィレオ」が定番に
▼07年1月 期間限定「メガマック」がヒット
▼09年6月 「クオーターパウンダー」発売
▼13年8月 原田泳幸氏が会長となり、カサノバ氏が社長就任
▼14年7月 原材料の仕入れ先の中国の食品加工会社でチキンマックナゲットに期限切れの鶏肉の使用が発覚