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【防衛最前線】
(15)イージス艦 問題は「反日・韓国の壁」…8隻体制でミサイル防衛強化も
「地理的に優位な位置を占める韓国軍との協力ができれば、より早期に情報を入手し得る場合もあると考えられる」
防衛省は北朝鮮のミサイル発射失敗から約2カ月後にまとめた検証報告書で、こう総括した。しかし、日韓両国が機密情報を交換するための手続きを定めた軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、韓国国内の反日世論を恐れる韓国政府の消極姿勢により、いまだに締結されていない。
これを懸念した米国が仲介役となり、昨年12月には日米韓3カ国が情報共有取り決めに署名した。だが、この枠組みでは米国経由でしか韓国側の情報を受け取れない。防衛省内では「日韓2国間のGSOMIAがなければ、最高機密の情報は交換できない」という声も漏れる。
韓国の反発を気にせず黄海に展開するのか。嫌がる韓国を説得してGSOMIAを締結するのか。いずれにせよ、海自イージス艦は「韓国の壁」に直面している。(政治部 杉本康士)