ニューヨーク=中井大助
2015年2月6日00時04分
米フォックスニュースがウェブサイトで、過激派組織「イスラム国」がヨルダン軍のパイロットを殺害する映像を公開し、波紋を呼んでいる。「残虐性を示すため」と説明しているが、「テロ集団を利している」という批判も起きている。
フォックスニュースは3日夜の番組で、映像の一部を放映した。キャスターは「テロの現実を伝えるために放送する。映像は残酷で生々しい。子供がいる場合は、部屋から離れてもらった方がいいかもしれない」と語った。フォックスは保守的な論調で知られる。
ウェブサイトでは、22分余りの映像をすべて公開。「極めて生々しいビデオだ」と警告をつけている。
米メディアへの声明で、同社幹部は「慎重に検討した結果、ウェブサイトの読者に対し、残虐さを自分たちで判断してもらう選択肢を与えることの方が、ビデオの生々しい内容への懸念より重いと判断した」と説明。ネットでの公開であり、「ユーザーは見るかどうか、自分で判断できる」とも加えた。
米国の他局は、映像を放送していないとみられる。CNNは「放映して、得られるものは何もない」(幹部)としている。
英ガーディアン紙はテロ専門家の話として「ネットに公開することで、映像を見る人を増やし、起きるかもしれない影響を拡大してしまう。フォックスニュースは、文字通りアルカイダとISIS(「イスラム国」)のメディア部門のために働いている」と伝えた。(ニューヨーク=中井大助)
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朝日新聞国際報道部
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