【アンマン=久保健一】ヨルダン軍は5日、イスラム過激派組織「イスラム国」に対する空爆を再開した。軍当局者が本紙に明らかにした。

 シリアの拠点を攻撃したという。イラク民間テレビ「ルダウ」は、ヨルダン軍はイラク北部モスルも空爆し、イスラム国の司令官ら55人が死亡したと伝えた。

 軍は、米国主導の有志連合の空爆に参加したパイロットのムアズ・カサースベ氏(26)が昨年12月にイスラム国に拘束されて以降、空爆参加を停止したとみられていた。ヨルダンのアブドラ国王は4日、軍・治安当局幹部との協議で、「我々の信仰、価値観、原則を守るため(イスラム国の)拠点に容赦ない攻撃を実施するだろう」と、空爆強化の方針を示した。

 国王は5日、カサースベ氏の父サフィ氏らを弔問した。サフィ氏は4日の声明で「ヨルダン政府が厳しい復讐ふくしゅうを実行することを期待する」と述べた。