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 政府・与党は5日、電力会社に送配電事業の別会社化を義務づける「発送電分離」について、実施時期を「2020年」とする方針を固めた。これまでは18~20年をめどに実施するとしていたが、電力会社に配慮して準備期間を長くとることにした。

 発送電分離は、電力事業への新規参入者が電気を家庭や企業に送る際に使う送配電網の使用料金の公平性を確保し、競争を促すのが狙い。今国会に提出する電気事業法改正案に盛り込む。家庭向け電力販売は16年4月から自由化されることが決まっている。

 準備期間の確保に加え、原発の再稼働が進まず、電力供給に不安が残る場合などには、実施時期を延期できる規定も盛り込む方向だ。電力業界が求めていた。

 同時に進めるガス改革では、東京、大阪、東邦(名古屋)の都市ガス大手3社にパイプライン(導管)事業の別会社化を義務づけるガス事業法改正案を提出する方針だ。家庭向けガス販売の自由化は17年から、導管分社化は22年に実施する方向で調整している。

 ほぼ同時期に電力とガスの一体改革を進めることで、業界の垣根を越えた相互参入を促し、電気とガスのセット販売など、利用者にとって便利なサービスが生まれやすくする。(大津智義)