グアテマラ:「無知を利用」アメリカ人体実験の兵士が証言
毎日新聞 2012年01月21日 02時30分(最終更新 01月21日 02時37分)
中米グアテマラで1940年代後半に米政府がグアテマラ政府の協力を得て実施していた性病の人体実験。資料を発見した米国の歴史学者が10年5月に学会で発表して明るみに出た。オバマ米大統領が10年10月、グアテマラのコロン大統領に謝罪。両国に調査委員会が設置され、実態解明が進められてきた。
先月7日に発表されたグアテマラ政府の報告書によると、米公衆衛生局や米国立衛生研究所は46年7月〜48年12月に受刑者、兵士、売春婦、孤児など少なくとも約1160人に梅毒スピロヘータや淋菌を接種するなどした。グアテマラ政府は自国と米国に残された資料を照合し、6人を「生存被害者」と認定した。米国では32〜72年に南部アラバマ州で貧困層の黒人約400人に対する性病の人体実験が実施されていた例がある。