春樹さん、こんにちは。
球団への愛と選手個人への愛の違いについて、お伺いします。
私は春樹さんのエッセイでヤクルトスワローズ元選手の土橋さんのファンになり、熱心に応援し、神宮球場にも足を運びました。そのときは、もちろんスワローズファンを周囲に名乗ってもいました。しかし、土橋選手が引退した途端、球団への愛は薄れてしまい、今ではスワローズの選手もよく知りません。
私の愛は球団への愛ではなく、土橋選手への愛だったのだな……と気づいたときに、ふと、お気に入りの選手が引退しようが、球団が強かろうが弱かろうが応援し続けられる球団愛ってなんだかすごいな……とあこがれのような、尊敬のような気持ちになりました。
春樹さんは、お気に入りの選手が引退したあと、スワローズに関心がなくなったことはありませんか? それでも球団愛が続く秘訣ってなんですか?
よければ、おしえてください。
(しるば、女性、40歳、ソーシャルワーカー)
僕も稲葉選手がいなくなり、青木選手がいなくなりしたときには、「寂しいなあ」と思いました。でも神宮に足を運んで、ヤクルトのユニフォームに身を包んだ選手たちが動き回っているのを見ると、やはり同じように熱心に応援してしまいます。ジム・モリソンがいなくなったあとのドアーズ、みたいな深い虚無感はありません。ブライアン・ジョーンズが消えたあとのストーンズ、くらいでしょうか。
土橋さんは今なにをしているのでしょうね。お見かけしませんが(スタッフ註・土橋さんは現在スワローズの二軍外野守備走塁コーチをなさっておられます)。
村上春樹拝