セックス離れ:若い男性、性の「絶食化」 3000人調査
毎日新聞 2015年02月05日 09時52分(最終更新 02月05日 12時16分)
一方、夫婦の間で1カ月以上セックスのない、いわゆる「セックスレス」の割合は44.6%(男性36.2%、女性50.3%)で、年々増え続けている。セックスに消極的な理由は、男性では「仕事で疲れている」(21.3%)、「出産後何となく」(15.7%)、女性では「面倒くさい」(23.8%)、「仕事で疲れている」(17.8%)の順に多かった。「趣味など他にセックスより楽しいことがある」といった前向きな理由を選んだのは、男性4.5%、女性5.9%で少数派だった。
北村さんによると、前回の調査では、1週間の労働時間が計49時間を超えるとセックスレスになる傾向が顕著だったという。また、総務省などによると、若年者(学生除く15〜24歳)の3分の1、30〜34歳の既婚男性の4分の1が非正規雇用に就いているというデータもある。「若年層を中心に非正規雇用が増え、精神的な余裕のなさも関係しているのではないか。男女ともにワーク・ライフ・バランスに配慮するなど労働環境の見直しが必要だ」と指摘する。【鈴木敦子、小川節子】
◇ピル避妊使用、少なく
調査は、出産や中絶、避妊などについても聞いた。
医学的な出産適齢期は35歳ごろまでとされているが、「最後の子どもを出産する理想年齢」を尋ねたところ、最も多かったのが「30〜34歳」で男性34%、女性41%だった。しかし、「35〜39歳」も男性25%、女性18%に上り、理想の年齢と適齢期の間にずれがあった。
中絶経験率は、2002年は17%だったが、今回(14年)は13%と減少傾向だ。中絶の理由は「経済的余裕がない」(24%)、「相手と結婚していない」(23%)、「相手が出産に同意しない」(10%)などが続いた。中絶時の女性の気持ちは、胎児に申し訳ない46%▽自分を責めた15%−−などで、半数以上が否定的な感情だった。
避妊している女性は、「コンドーム」の使用が86%で最多だった。認可から16年たつ低用量経口避妊薬(ピル)は5%で、認知度は02年67%、14年65%と横ばいだ。「使いたくない」は71%に上り、副作用が心配51%▽毎日飲むのが面倒9%−−などが理由だった。