他人事のようだったイスラム国の蛮行も日本人が2人も立ち続けに殺害されたとあっては国際情勢に疎い筆者でも黙っておられずペンを執りました。それにしても卑劣な奴らだ。
 その前にイスラム教についておさらいしましょう。世界的大宗教の一つで西暦610~632年頃、ムハンマド(マホメット)が創始し、アラビア半島から民族を超えて広がりムハンマドと共に唯一神アッラーを信奉することを教義とし、法学・神学上の違いからスンニ派とシーア派に大別され両派の争いは絶えることなく続けられている。この争いに乗じて台頭してきたのがスンニ派のテロ集団イスラム国であり、〝国〟と自ら名乗るほど石油採掘施設を傘下に治めるなど莫大な資金力によりイラクとシリアにまたがる勢力圏を築き、自らをムハンマドの後継者カリフとして登場してきたのがテロ集団アルカーイダ要因の一人だったバグダティーであり、世界各国から同志を募り自爆テロなど繰り返している残虐集団なのだ。
 昔から争いの絶えない中東情勢を取材する日本人ジャーナリストは少なくなく、今回の湯川さん、後藤さんだけでなく幾人もの人たちが戦火の犠牲になっているが、ネット上で処刑の様子を公開されたのは初めてのことであり、彼らの残虐さを物語るものと言えよう。
 湯川、後藤さんは昨年8月以降に拘束されており何時しか日本を標的とする謀略を計画していたものと思われ、安倍総理の中東訪問、人道支援とはいいながら2億㌦の供与表明がいい口実になったのは違いなかろう。軽率のそしりは免れない。
 地球儀俯瞰外交などと言っている安倍さんだが中東、特にイスラエルへの外交は十分注意した方が宜しかろう。
 今回の2人への蛮行を契機に、イスラム国だけでなく他のテロ集団の日本人拉致・拘束、そして身代金要求が激化してくるのでは―と危惧している。総理は大局を見て、かつ石橋叩き渡らねば。