2015.02.04
セーラー服で恍惚… “プロレス女子”急増のワケ【後編】
⇒【前編】「“いい男に抱かれたい”願望がプロレスで全開に!?」はコチラ
今のプロレスは、昔とまるで違う
――プロレスが女性にウケるようになった“きっかけ”はあったのでしょうか?
プチ鹿島:総合格闘技ブームのときは、プロレスの人気は下がっていたんです。それが、「格闘技じゃない面白さ」というのを2000年代以降、棚橋とか中邑が出してきて、それが今、実を結んだ感じです。試合内容も昭和プロレスを見てきた口うるさい人たちも納得する高度なレベルです。
プチ鹿島:昔からある勝負論よりも、今はもっと、「最強より最高」というものを提供しているんです。プロレスって語り甲斐があって、屁理屈な男性が好きなジャンルではあるんです。でも今はそれとは別に、「観て面白い」「あー、面白かった!」でいいジャンルなんですよね。
柳澤健:ジャニーズにハマる心理と、ヨン様にハマるのと、プロレスにハマるのと、基本は同じだと思いますよ。プロレスには“裸の男”っていう魅力がありますね。ベタベタ触れたりしますしね。
「お化け屋敷にルールはいらない」
プチ鹿島:会場に行くと、とにかく面白いですよ。非日常です。本当にテーマパークです、後楽園ホールとか程よく狭いですし。大日本プロレスなんか、分かりやすいですよ。デスマッチの団体なので、場内全部使って蛍光灯で殴り合ったりするんです。この間、大日本の試合を観に行ったら、セーラー服の女子高生が恍惚としてリングを見ていたり、キャーキャー言いながら逃げ回っている女の子がいたり。
デスマッチはお化け屋敷とかでキャーキャー言いながらも、怖いもの見たさで楽しい、という感覚に似ているのかなと思います。理屈抜きなんですよ。画びょうが背中に刺さったりとか、有刺鉄線とか、人生でなかなか目にしないじゃないですか(笑)。非日常のテーマパークですね。
柳澤健:生で観ると「胸板厚い!」とか、女性はとくにビックリすると思います。理屈はいらないです。
プチ鹿島:野球とかサッカーより、ハードル低いですよ。ルールとか知らなくていいですから。プロレスは過程を楽しむものなので。野球とかはルールを知らないと楽しめないですけど、プロレスは観るだけで楽しめます。
柳澤健:お化け屋敷にルールなんかいらないんですよ。
プチ鹿島:名言です! まさに、お化け屋敷にルールはいらない! 女性は未知のものに対するワクワク感というか、フットワークが軽いと思うんですよ。何か新しい面白いものがないか?というアンテナにプロレスが引っかかってきている。それを満たすためにプロレスを観に行くという選択は、自信を持ってオススメしたいですね。
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今回お二人の話を聞いて、「今と昔のプロレスは全く違う」というのが、意外であり、魅力に映った。プロレスに限らず新しいファンというのは、“昔を知らない”ことへの引け目がどこかしらある。南海キャンディーズの山里亮太さんがDDTプロレスに挑戦した際、「プロレスに対してコンプレックスがあった」と話していたのが印象に残っている。
ルールも知らない。観戦したこともない。でも強烈に惹きつけられたのは、プロレスが長い歴史の中で、今まさに全く新しく生まれ変わったばかりであり、自分が“初代ファン”になれると感じたからかも知れない。これからわたし自身を含め、「プロレス女子の生態」を追っていこうと思う。
<取材・文・撮影/尾崎ムギ子>
●柳澤健・著『1976年のアントニオ猪木』(文藝春秋)『1964年のジャイアント馬場』(双葉社)……昭和プロレスファンのバイブルとも言うべき名著。プロレスのすべてが詰まった珠玉のドキュメンタリー
●プチ鹿島・著『教養としてのプロレス』 (双葉社)……“プロレス脳”はあらゆるところで応用できる。AKB、半沢直樹、SNS――プロレスを知らない人でも目から鱗が落ちる実践的思想書
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『1964年のジャイアント馬場』 1964年1月、アメリカンマットの最前線で戦う馬場に対し、グレート東郷が提示した手取り年収27万ドル。契約期間は10年、現在の貨幣価値に直せば年収5~6億円に当たる破格の条件だった。力道山の急死により、突如勃発したグレート東郷と日本プロレスによる馬場争奪戦。日本人メジャーリーガーなど存在しなかった50年前、馬場はたったひとりの「世界標準の男」だった―。 |
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『教養としてのプロレス』 「プロレスを見ることは、生きる知恵を学ぶことである」―。著者が30年以上に及ぶプロレス観戦から学びとった人生を歩むための教養を、余すところなく披瀝。今もっとも注目すべき文系芸人による初の新書登場。90年代黄金期の週刊プロレスや、I編集長時代の週刊ファイトなどの“活字プロレス”を存分に浴びた著者による、“プロレス脳”を開花させるための超実践的思想書。 |
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