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富士フイルムがエボラ熱の高速診断システムを開発へ フランス公的機関と共同で
富士フイルムは3日、フランスの公的機関とエボラ出血熱を迅速に診断できるシステムの共同開発に乗りだすと発表した。富士フイルムが持つ微量のウイルスでも高速にインフルエンザを診断できるシステムを応用し、感染症や微生物学分野で最先端の研究を行う仏公的研究機関バイオアスターと組み、エボラウイルスを15分~30分程度で診断できるシステムの開発を目指す。今年内に技術の確立を目指す。
エボラ出血熱の大規模拡散を防ぐためには、治療薬やワクチンの開発が求められる一方で、感染者の早期発見も重要な課題で、今回新技術の開発に着手することにした。
今回は、富士フイルムが2011年に開発し、一般的な診断薬を用いる場合と比べ約100倍の高感度でインフルエンザウイルスを検出でき、簡単な操作で3~15分と短時間で判定結果が得られるインフルエンザ診断システムを応用する。同システムは、鼻水などを検体に活用する仕組みだが、エボラ向けシステムでは、血液を検体に用いても高感度、高速診断ができるようにする。また、バイオアスターが作製、評価するエボラウイルスの優れた抗体を用いることで、現在、エボラウイルスの確定診断に利用されている遺伝子検査と同等の高い診断能力を持ちながら、簡便で速く、小型で持ち運びしやすいエボラ出血熱の診断システムの開発技術を確立する考え。