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イスラム国指導者釈放 米の誤算
2月1日 12時30分

イスラム国指導者釈放 米の誤算
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イスラム過激派組織「イスラム国」の指導者、バグダディ容疑者がイラクに駐留していたアメリカ軍によって2度にわたって拘束されながら、その後、イラク政府に引き渡され、釈放されていたことがアメリカ政府の元高官の話で明らかになり、アメリカの誤算が過激派の拡大を招いた可能性が出てきています。

これは去年まで、アメリカ国防総省傘下の情報機関、DIA=国防情報局のトップを務めていたフリン前長官がNHKとのインタビューで明らかにしたものです。
このなかで、フリン前長官はイラクに駐留するアメリカ軍が2004年に「イスラム国」の指導者、バグダディ容疑者を拘束し、10か月後に釈放したことについて、「模範的な収容者でアメリカ軍に協力的な姿勢を見せていた。模範的な市民になると期待して釈放した」と述べました。
そのうえで、アメリカ軍は2006年に再びバグダディ容疑者を拘束し、2009年にイラク側に引き渡しましたが、その後、イラク政府が釈放したことを明らかにしました。
これについて、フリン前長官は、「われわれが知らされたのは、イラク政府が釈放したあとだった。明らかに間違った判断で、その後、バグダディ容疑者はイスラム過激派組織の指導者に上りつめてしまった」と釈明しました。
国防総省は、アメリカ軍がバグダディ容疑者を1度拘束したことは公表していましたが、2度にわたって拘束していたことが明らかになったのは初めてです。
フリン前長官によりますと、バグダディ容疑者は当時、イラクで活動していたテロ組織の指導者の側近でアメリカ政府は重要なテロ容疑者だと認識していたということです。
しかし、こうした機密情報がイラク側に引き継がれていなかったとみられ、アメリカの誤算が、過激派の拡大を招いた可能性が出てきています。

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