Updated: Tokyo  2015/02/04 19:16  |  New York  2015/02/04 05:16  |  London  2015/02/04 10:16
 

中国株弱気派は短絡的か-3段階で上昇続くとの見方も

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  (ブルームバーグ):世界の株式市場を上回る中国株の上昇が持続しないとみる向きが増えている理由を挙げるのは簡単だ。

1月の製造業活動は2年ぶりに縮小。工業利益の減少は少なくとの2011年以来の速いペースとなった。さらに当局は信用取引融資の抑制に動いている。人民元建てのA株から成るCSI300指数は半年間で63%上げた後、先週は1年ぶりの大きな下落となった。

グリーンウッズ・アセット・マネジメント(景林資産管理)を創業した蒋錦志氏と共にヘッジファンド「ゴールデン・チャイナ・ファンド 」を運用する曾暁松氏は、弱気派は短絡的だと指摘、5兆1000億ドル(約600兆円)規模の中国株市場は3段階で上昇が継続し、現在はまだその第1段階にすぎないと説明する。

曾氏はCSI300指数がどれだけ上昇するかの目標は示さなかったが、同指数の株価収益率(PER)が最大30倍になると予想。これは企業利益が現行水準で横ばいだとしても、さらに100%上昇することを意味している。

曾氏が分析する3段階の上昇過程は次の通り。

第1段階:バリュエーションの適正化  CSI300指数が半年前に上昇加速を始めた際、PERは約9.6倍だった。これに対し10年間の平均は19倍。今は15倍だ。曾氏は「適正」なPERは20-30倍だと指摘。ブルームバーグがまとめたデータによれば、中国株が2007年にピークを打ったときは、PERは49倍だった。

第2段階:利益の回復  曾氏によれば、中国企業の利益は今年4-6月(第2四半期)もしくは7-9月(第3四半期)に回復し始める見込み。中国人民銀行(中央銀行)が昨年11月に実施した利下げ効果が経済に浸透するためだ。商品価格下落がインフレを抑制するため、曾氏は追加利下げがあるとみる。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によれば、CSI300指数構成企業の利益は今後1年で約24%増えると予想されている。

第3段階:世界からの資金流入  曾氏は世界の投資家が中国株に資金を投じ始めることで、中国株上昇の最終段階に至ると説明する。ブルームバーグがまとめたデータによると、中国本土株に連動する海外の上場投資信託(ETF)は1月まで4カ月連続で資金流出を記録する一方、海外投資家は上海と香港の証券取引所による株式注文相互取り次ぎを通じ上海株購入枠の30%しか使っていない。曾氏はMSCIの複数の世界株価指数に中国本土株が組み込まれる可能性があり、これが世界のファンドを本土株保有拡大に動かす公算が大きいとの認識を示した。

曾氏は「中国株上昇の第1段階の恩恵を受けたのは地場の利口な投資家だけであり、世界のほとんどの投資家は享受していない。米オクラホマ州の庶民が中国株を話題にするようになれば、世界から中国株市場に資金が流入する」と述べた。

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原題:Hedge Fund Guide to China Bull Markets Shows Rally Just Starting(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Kyoungwha Kim kkim19@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Michael Patterson mpatterson10@bloomberg.net Nikolaj Gammeltoft

更新日時: 2015/02/04 08:02 JST

 
 
 
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