連載スタートのあいさつは省略して、「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件について書く。私は「イスラム国」とだけ書くのは、国家として認められたかような誤解を生むので反対である。以下、ISISとする。
犠牲となったジャーナリストの後藤健二さんらには、心からご冥福をお祈りしたい。テロリストの蛮行は決して許されない。そして、この結末について非難すべき相手を間違ってはならない。
確かに、ISISは動画で安倍晋三首相の政策に言及した。だが、彼らの理不尽な言い分に便乗して政権批判を行う人は「テロリストの共犯者と同じ」という自己認識を持つべきである。
世の中を恐怖で支配し、言論をコントロールするのがテロリストの目標である。彼らの主張に同調したり、恐怖心を無責任にあおる行為は、まさに援護射撃だ。テロに断固反対する人は常識として捉えてほしい。
人間は何か新しい行動を起こした直後に悪いことが起きると、「従来通り行動すればよかった」と考える傾向がある。実は、その思考の裏には「とりあえず今の自分さえ良ければいい」という無意識が潜んでいることに気付いていない。
戦後70年で世界情勢は激変している。従来通りの政策では、子供や孫の世代の日本は成り立たない可能性が高い。将来に備える必要性を感じるからこそ、安倍首相は積極的に行動している。
平和ボケの近視眼的思考で的外れな批判をする人々は、少しは世界情勢を勉強すべきである。