• 文字サイズ

トップ > ノンセクション > 社会 > 朝日「シリア強行入国」の波紋

人気ランキング
東スポ芸能
東スポ本紙の芸能スクープ記事がスマホで読める!
国内3キャリア完全対応
詳しくはこちらから
アクセスはこちら!
http://g.tospo.jp/
QRコードQRコードをスマートフォンから読み取ってください



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

朝日「シリア強行入国」の波紋
2015年02月03日 07時30分

朝日新聞に賛否両論

 イスラム過激派「イスラム国」に拘束されていたジャーナリスト後藤健二さん(47)が殺害されたとみられる映像が1日朝、インターネット上で確認された。先月24日に湯川遥菜さん(42)が殺害されたとみられる画像が公開されたのに続き、邦人人質事件は最悪の結末を迎えた。事件に関連して、朝日新聞記者が外務省の渡航自粛要請に応じずシリアに入国し、批判的な報道やネット上のバッシングを受ける事態も起こっている。

 朝日は1月31日、2月1日の朝刊(東京本社発行、以下同)でシリアからのリポートを掲載。読売は31日夕刊、産経は1日の朝刊で、朝日記者の入国や現地取材を報じた。人質事件を受けて外務省は報道各社にシリアへの渡航自粛を呼びかけていたが、朝日は従わず、読売と産経が問題視した形となった。

 読売の記事に対し、朝日新聞特別編集委員の冨永格氏が31日にツイッターで、「日本国の要請に逆らって危険地帯に立ち入るとはけしからん、ウチは我慢しているのにというフラストレーションがありあり(笑)。政府広報じゃないんだから、もっとジャーナリズムしませんか。もちろんリスクを慎重に吟味した上でね」と挑発。その後、「読売に抜かれてるぞ、がんばれ産経」と後出し報道となった産経をやゆした。

 ネット上の反応は「なんで他人の迷惑を顧みないんだろ」「朝日は頑張っている」と賛否両論。冨永氏は昨年9月11日に同社が慰安婦報道と福島原発事故報道で謝罪した際、「朝日の911」と米同時多発テロを想起させるツイートをして、ネット上で物議をかもしたこともある。

 後藤さん解放情報が流れて報道陣がトルコとシリアの国境に集まった際には、「日本人記者が狙われている」ともささやかれた。朝日記者の“強行入国”は新たな人質を生みかねない。政府関係者は「人質になったら会社がなくなっちゃうんじゃないですか」と影響の大きさを推し量る。

 中東など紛争地で取材を続ける40代の戦場ジャーナリストは「こういうことがあったからこそ、自分の目で現地を見たいというのは当然のことです」と理解を示す。

 とはいっても危険はないのか。「イスラム国と敵対している自由シリア軍といるなら危険度は低くなる。問題はフィクサー選びです」(前出ジャーナリスト)。フィクサーとはガイドのこと。情報源になるだけでなく、運転手、通訳としても助けになる。

「紛争地ではフィクサーがビジネスになっているので、売り込みがあります。裏切られることもあるので誰を選ぶかが大事なのですが、素性を調べることもできない。結局、感覚で信頼できる人物を選ぶしかなく、運の要素が強い」(同)

 フィクサーの料金は1日100ドルから200ドルほど。危険地帯に入り込むほど値は上がる。「フィクサーのおかげで助かることもあるし、ギャラの支払いでもめて、武装勢力に売られることもある。後藤さんはフィクサーに売られたと言われていますが、イスラム国の支配地域に行こうと思ったら、イスラム国とつながりのあるフィクサーに頼らざるを得ない。そうでないと現地の取材ができませんから」(同)。とにかく現地ではフィクサーが頼り。後藤さんはフィクサー選びに失敗した可能性もある。

 フィクサーからは「日中でも出歩くな。歩くなら人混みにしろ」「目立つ行動はするな」と注意される。紛争地では外国人は特に目立つという。「中東では外国人の誘拐がビジネスとして行われています。一番危ないのが車での移動中。道をふさがれたり、集団で囲まれたりいろいろパターンがあります」(同)。車の中にいては逃げようがない。

 万が一、朝日記者が人質になったら救出できるのか。「後藤さんの場合は、ヨルダンが間に入ったことで救出の可能性が高まっていたと思います。しかし、できなかった。日本政府に交渉能力はないので、そこは期待できません」(同)

 たとえ危険でも記者が現地に行きたいというのを止められないという。「以前、別の紛争地で大手メディアが来ない中、読売の記者が『見てみたい』と来たことがあります。現場の記者の気持ちはそうでしょう」(同)。朝日記者がフィクサーを雇ったとすれば、悪意のない人間であることを願うばかりだ。

【編集部のおすすめ】




【関連記事】


ピックアップ
第3回「日韓競輪対抗戦」韓国のキム・ミンチョルが連覇
28日の決勝(10R)は韓国勢が巧みな連係を見せ、番手まくりに乗ったキム・ミンチョル が抜け出して優勝。大会連覇を飾った。

「2014年度プロレス大賞」授賞式
41回目となる東京スポーツ新聞社制定「2014年度プロレス大賞」授賞式が19日、都内のホテルで行われた。

元フジアナ・長谷川豊「すべてお話ししますがなにか?」
“女子アナセクハラ被害”を激白した元フジテレビアナ・長谷川豊がマイクをペンに持ち替えて、女子アナたちの嘔吐事件、不仲疑惑、未成年アイドルとの飲酒騒動など“とくダネ”大放出!


おすすめコンテンツ
「出走メンバー、コメント、本紙の見解」そして競輪担当記者のコラムを掲載。

セクシー女優・麻美ゆまがAVのこと、病気のことなど、赤裸々に半生を語り尽くす。(全20回)

女子プロレス界最大のカリスマが波乱に満ちた生い立ちから、日本中を熱狂の渦に巻き込んだクラッシュギャルズの真相などを赤裸々に語る。(全15回)

週末のレースに向けて「UMAJIN.net」編集部で行われている、デスクとスタッフ・伊藤のナイショ話

今回は、本紙で報じた「“人魚”捕獲は日本海大地震兆候か」

「メジャー屈指の救援投手」上原投手をクローズアップ

女子レーサーからヤング、ベテラン選手まで、ボートレーサーの人となりを深く掘り下げます。さらに「ボートレースアカデミー」でボートの勉強も!

次回は「ボートレースクラシック」

新着フォト
東スポ動画
「ミス東スポ2015」グランプリは璃乃、星優姫、城田あや
注目コンテンツ
開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載!

ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長の独自の映画賞!

日本マット界の隆盛、発展を祈念し、東スポが制定したプロレス大賞です。