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元外務省職員が提言「日本にも情報機関を」
2015年02月04日 07時00分


 2人殺害という最悪の結末に終わった「イスラム国」による日本人人質事件。途中からヨルダンを巻き込んだ相手側の巧妙な作戦に、安倍晋三首相(60)ら日本政府側はなすすべがなかったようにも映った。情報収集・交渉力に問題はなかったのか。過去に人質事件を担当した元外務省職員A氏は、批判は当然受けるべきとしながらも、現在の日本の組織的限界を指摘。国際的な情報機関の設立を提言した。

 1990年代以降の複数の邦人拉致事件解決に当たった外務省の元職員A氏は「今回の件で日本ができることはほとんどなかった。人質事件の表向きの原則は非交渉だ。しかも、解放条件の2億ドルの身代金と、拘束された死刑囚の釈放はありえない話。当初から条件は絶対にのめないものだった」と語る。

 だが、いくら非交渉といえど、最後は事態を見守るしかなかったように見えた安倍首相と政府には“無能”だったという指摘もある。

「殺害のトリガー(引き金)になったのは、1月19日の安倍首相とネタニヤフ首相の共同会見。2人の後ろに日の丸と六芒星が掲げられたが、センスがなさすぎる。イスラム国にとって、アメリカと並ぶ最悪の敵がイスラエル。写真の力はバカにできない。日本はイスラエルと共闘するイスラム国の敵と解釈された」

 これで湯川さんと後藤さんの命は事実上、消えたという見方もある。

「1月17日、カイロで2億ドルのイスラム国対策支援を表明したこともトリガーかもしれないが、日本側のブレーンに進言できる者がいなかったのは痛恨だ。国旗を降ろしてくれとは儀礼上言えないが、会見場所を変えてくれとは言えた」

 その失策と殺害までの右往左往をもって、安倍首相、対応にあたった外務省や警察庁などに批判が集中している。

「外務省の外交官は表向きの外交では活躍できても、テロリストとの(水面下の)交渉には弱い。警察は事件が起きてから動くので、事件前からイスラム国の背景にアプローチしない。警察の出向者が半数を占める内閣調査室も同様。今回のような有事に対応する力はない」

 国際的な意味での「情報機関」と呼ばれる組織が日本にないことが招いた結果ともいう。

「外務省も警察庁も、ヨルダンやトルコ、周辺国の担当者に当たったはず。ヨルダンの国王は『全面的に協力する』と言ったが、現場では『あなたは外交官でしょ? ポリスでしょ? (情報の)専門家じゃないよね』と下に見られる。日本側が『金銭的支援をするから助けてくれ』と言っても、情報機関に金は魅力的ではない。情報には情報が暗黙のルール」

 こうした現状では、イスラム国に手も足も出なかったことを全面的に批判できない。今回の事件を機に、情報機関設置の有用性が議論されなければならない。

「かといって、約70年間も情報機関がなかった日本がいきなり世界中の国にステーション(基地)を置くのは無理な話。アメリカでさえてこずる中東はなおさら困難。参考にすべきはオーストラリアだ」

 オーストラリアはインドネシアの情報だけはガチガチにつかむ仕組みを作っているという。「自国民がイスラム国に拉致されたときに、オーストラリアは『インドネシア情報は優先的に渡すから、イスラム国の情報をくれ』と周辺国の情報機関同士でやりとりできる」

 これを日本に当てはめればよい。「露・中・北朝鮮の情報は世界が欲しがる。日本がスパイを置く重点エリアをまずは3つの国などに限定させるべき。この情報は有事の際のカードに使える」

 相手は最初から常識の通じない連中だ。交渉が成功するかは分からない。だが、情報を持っている相手にアプローチ可能な環境は作れる。今回のように何もできないよりマシだろう。イスラム国は後藤さん殺害後、「日本にとっての悪夢が始まる」とメッセージを発した。一刻も早い対応が望まれる。

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