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積極的平和主義に懸念 埼玉大集会で東大大学院教授・小森さん講演

埼玉新聞 2月4日(水)15時0分配信

 集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回を求めようと、「戦争をさせない埼玉県1000人委員会」などの市民団体は3日、「いのち 平和 憲法9条」と題した埼玉大集会をさいたま市浦和区の埼玉会館で開いた。会場を満席にする多くの参加者が集まり、閣議決定の撤回に向け決意を新たにした。

 集会では、東大大学院教授で「九条の会」事務局長の小森陽一さんが講演した。

 小森さんは冒頭、先月26日に85歳で亡くなった憲法学者で東大名誉教授の奥平康弘さんへの追悼の意を表明した。奥平さんは「九条の会」の呼び掛け人の一人として、改憲の動きに警鐘を鳴らし続けてきた。小森さんは「奥平さんは亡くなる最後まで、安倍政権が突き進む積極的平和主義に憂いを示していた」と振り返った。

 過激派「イスラム国」による邦人人質殺害事件についても言及し、「改憲への強い意思を表明した安倍首相に重い責任がある」と指摘。「イスラム系武力勢力に空爆を行ったエジプトで、2億ドルの支援を表明したのは決定的な間違い。安倍政権の愚かな政治判断は中東の信頼をも失うことになった」と批判した。

 安倍政権が閣議決定した集団的自衛権の行使については、「軍事政権に進む極めて危険な本質がある」と懸念を示した。その上で、国民一人一人が政権の動きを注視する必要性を強調した。

最終更新:2月4日(水)15時0分

埼玉新聞

 

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