2015-02-04

http://anond.hatelabo.jp/20150203104909

試験制度やその動きに対応する範囲での外部環境の話として、そして、大手監査法人を中心としたマクロな話としては十分だと思う。それでも、やや足りない面があると思う。

大量に採用された人たちや大量採用以前の人たちが監査法人を離れていく理由として主に、「リストラ」と大手クライアント喪失による「出世」見込みの喪失を挙げている。またそれらを監査法人側が促す理由としては、市況の悪化に伴う、監査報酬の減少、事業収支の悪化を挙げている。しかし、リストラについては、リストラされる側が承諾しない限り、強制的になされる謂れのないものであるのだからリストラをされた側は結局、監査法人を自らの意思で見限っていると言えると思う。

ここで、自らの意思で見限る動機としては、「出世」だけでは弱いと思われる。今のご時世、本当に「出世」だけを考えて仕事をしている人がどれだけいるのだろうか、と思う。結局、自らの意思で見限る動機は、どうしたって、仕事のものに対する不満しかないのだと思う。仕事のものにそれなりに社会的意義があり、従事する側にとってもその社会的意義を十分に実感することができ、その使命感に基いて実行できるものであれば、そう簡単には見限ることはないのではないか、と思う。もちろん、そうでない人もいるだろう。しかし、会計監査となると、本当にそうなのか?と、とても心もとなく思う。

そういった諸環境において末端に位置する監査業務従事者、あるいはそれら末端を現場で束ねるだけのインチャージ級の人々が、仕事の持つ本来的な社会的意義(それだって、平たく言えば投資家の手先である。目の前にいる過大な業務負荷を抱えざるを得ない財務経理等の担当者に対して、直接的にサービス付加価値提供できる立場にはない)を見失うのは至極当然にように思える。そして、これらのことを考えない限り、会計監査業務から人が離れていくこと、そして、離れない人がいること(本当に不思議だけれど、これらの状況を楽しみ、これらの状況があるからこそ生き生きと仕事をしている人もまた、結構な人数で存在する。生粋公認会計士であり、公認会計士しかない)、離れない人を中心に成り立っている会計監査業界全体の構造をうまく説明できないように思う。

以下は、根拠などのない雑感。

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