Updated: Tokyo  2015/02/04 16:00  |  New York  2015/02/04 02:00  |  London  2015/02/04 07:00
 

サプライズ! またも中銀からびっくり-油断禁物、次は米国も

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  (ブルームバーグ):またも中央銀行が投資家を驚かせた。今度はオーストラリア準備銀行だ。過去最低2.25%への3日の利下げを予想したのはブルームバーグ・ニュースの調査に答えたエコノミスト29人の中で7人だけだった。

2015年に入ってわずか34日の間に、オーストラリア、カナダ、ロシア、インド、ペルー、パキスタン、トルコ、エジプトが予想外の利下げを実施した。欧州中央銀行(ECB)は発表した資産購入プログラムの規模で市場を驚かせた。デンマークは10日の間に3回、預金金利を引き下げ。シンガポールは通貨上昇を緩やかにすると発表した。極め付きはスイス国立銀行のフラン相場上限撤廃だった。

こんな状況を受けてバークレイズのストラテジスト、スリーカラ・コチュゴビンダン氏は、ここ1カ月は中銀からのサプライズが原油価格の変動に代わって市場を動かす主要因となったと指摘。それが今後も続く可能性があるとみる同氏は「金融市場のボラティリティは抑えがなくなるかもしれない」とコメントした。

中銀は市場との対話により緊張を鎮める役割を果たしてきたが、低インフレと自国通貨を押し下げたい意向が素早い行動を促すようになった。

世界の中銀は2008年の金融危機以降すでに540回ほどの利下げをしており、今後は非伝統的政策措置も増えるだろうとバンク・オブ・アメリカ(BOA)は予想する。

デンマークは通貨ペッグを維持するための変わった方法を研究しているし、オーストラリアなどは低金利下でのバブル発生を防ぐためいわゆるマクロプルデンシャル規制が必要になるかもしれない。

次のサプライズはどこから来るのだろう。影響が最も大きいところを注視するのが賢明だろう。米国と中国だ。

中国は資本流入を管理する手段として人民元の変動幅拡大または緩やかな元安誘導を検討していると事情に詳しい関係者が述べている。米国に関しては、利上げ時期についての今年半ばという市場予想を、当局がより遅い時期へと修正させる必要があるのではないかと投資家は疑っている。

要するに、油断は禁物、さらなるサプライズはあるものと覚悟せよということだ。フォワードガイダンスよ、さらば。

原題:Surprise! Investors Face Need to Expect the Unexpected on Rates(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Andrew Atkinson

更新日時: 2015/02/04 06:01 JST

 
 
 
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