【温泉】博多.二日市. 長門石. 北野. 片の瀬. 玄竹　福岡と熊本の湯1

九州の福岡と熊本の温泉に行った。福岡は九州では大分県や鹿児島県などの温泉密集地帯に隠れて目立たないがそれでもさすが九州島である。良い湯が眠っている。
熊本は山鹿、菊池周辺の平野部に温泉が密集し何度きてもなかなか制覇できない嬉しい地域である。

1　博多温泉　　元湯　　CaNa－Cl　48度　掛け流し多量、湯口湯の中にて爆発状態。硫黄臭あり　1発目から驚く　　　　

博多の南区にある温泉で、この湯を含め数軒の温泉が点在している。この元湯は元祖という言葉が付き元祖博多温泉元湯という繰り返しのような温泉名になっている。入口には由来記が書かれ由緒あるのであろう。民家のような鄙びた小さな施設で門を入ると地蔵様が奉ってあり湯治色を感じた。48度のCaNa－Cｌ泉で総計4820mgの温泉でカルシウムがナトリウムより多いので塩化土類泉である。透明であるがしっかりとした塩苦味を感じるもので苦味のほうが塩味より勝っている。2人入ればいっぱいであろう、小さな玉石造りの手作り浴槽に掛け流しで利用されている。そこにポンプのスイッチを入れると気体と一緒に温泉が湧出するので浴槽内は爆発状態であった。小さな浴槽なので入浴すると縁から湯がザッと溢れる。湯を大量に使ったような気分になるので好きである。分析表にはHSもH2Sもないがはっきりしたたまご味と淡い硫黄臭があり新鮮な温泉であると思った。

2天拝の湯　　　茶褐色12センチ　　　　

二日市温泉は歴史のある温泉であるがその北側の天拝山の麓に出来た温泉。二日市を俯瞰する岡の中腹に住宅地が造成されニュータウンとなっているが、その更に上手に天拝の湯なる温泉センターがオープンした。円盤が宙に浮いたような外観の現代建築である。温泉は37度の単純泉で総計430mgの薄いものである。しかし湯を見て驚いた。まっ茶色である。鉄分の1.3mgが原因であるが良く出ている。色的には、鉄分は20mgほどに感じる、しかし渋味は少なく源泉の濃度通りである、内湯は濾過しており薄茶色になっていた。しかし露天風呂は赤茶色濁り（12センチ）無味、カルキ臭であった。

3二日市温泉　　博多湯（再訪）　硫黄臭　記憶より奇麗であった。　

二日市温泉の博多湯の印象が良く記憶に強いものであったので近くに行ったら再訪しようと常々思っていた。入母屋の木造3階建てで窓枠が繊細な意匠となっている。半地下になっている浴室は円形の浴槽1個と正方形の浴槽が2個ある昔ながらのものであったがタイルが張り替えられ奇麗になっていた。湯は放射能を含む単純泉で単純弱放射能泉と表記される。47.4度の37.6マッヘである。しかしここの湯の最大の特徴は硫黄臭であろう。独自源泉の掛け流しで透明ながら弱いたまご味があり硫黄臭がある。円形の浴槽にまず注がれそれが2つの四角い浴槽にそれぞれ流入する方式である。広い空間に小さな浴槽が点在する形式の温泉はたいへん絵になる配置で三々五々に寛いでいる浴客との取り合わせは共同湯の原点のような気がした。四万温泉の元禄風呂や酸ヶ湯の大浴場などにも通じる雰囲気や情緒があると思う。

4筑紫温泉　　アクアフォーレ　　　　　　　　

国道3号線に沿った温泉センター。31.7度の単純泉で総計460mgのもの重曹系の成分であるが透明、無味、無臭の循環使用であった。多種の浴槽とプールまである施設。

5長門石温泉　　リバーサイド　　NaCaMg－HCO3　源泉掛け流し
　　茶色（25センチ）炭酸味、40度　素晴らしい　　　

コンクリート3階建てのホテルで筑後川の長門石橋のほとりにある温泉。鳥栖市になるので佐賀県の温泉である。白湯の浴槽もあるが奥に天然自噴の源泉浴槽があり40度の源泉が掛け流しで使用されていた。私の好きな含土類重曹泉でNaMgCa―HCO3泉と表記される。炭酸もかなり含有され味覚に残っている。茶色（25センチ）炭酸味+重曹薬味+少渋味、金気臭+炭酸臭という個性を充分に発揮している。浴槽には褐色の析出物がありこれも温泉の雰囲気を高めている。面白いのは浴槽内に入れ子状態に水色のポリ容器がおいてありその中に源泉湧出口がある。1度その中に溜めてから浴槽内に溢れさせているという不思議なものであった。突然湧出する炭酸による爆発状態になるのを防止していると思われる。食塩の少ない土類重曹系は金気や重曹の個性が際立ち温度も炭酸による刺激で高めに感じるなど素晴らしい浴感をもたらしてくれる。泡付きはないが弱い炭酸の体感刺激はある。