国未把握の戦没者通知名簿7冊 京都・舞鶴で確認
京都府舞鶴市浜の至徳寺に、国が把握していなかった旧海軍関連の戦没者通知名簿があることが3日、分かった。太平洋戦争の戦没者について、旧海軍などが遺族や役所に死亡通知を出した時に作成した名簿で、厚生労働省がデジタル保存を検討する。
同寺は旧海軍舞鶴鎮守府の安置所に指定され、戦中は約4万柱の葬儀や通夜を執り行った。
名簿は7冊で、同寺が保管することになった経緯は不明。氏名、住所、戦死場所、階級、所属(乗艦した軍艦)が記され、京都府のほか、北陸や東北を中心に全国の戦没者1万人以上が記載されているとみられる。戦中は舞鶴海軍人事部が作成、戦後は旧厚生省の舞鶴地方復員残務処理部が引き揚げ者の聞き取り調査で判明した戦没者を付け加えた、という。
近年は紙の劣化が目立っていたため、寺が地元の舞鶴東遺族会に相談し、厚労省に寄贈を申し入れた。近く東京都内の同省調査資料室に送る。
堀尾祐真住職(50)は「戦争の悲惨な記録を後世に残すため、国に保存管理をお願いしたい」と話す。
同寺でこの日、名簿を確認した厚労省調査資料室の神山正・室長補佐は「名簿は(呉など)旧軍港市単位で作成され、厚労省に引き継がれたはずだが、舞鶴は見当たらなかった」といい、「貴重な資料で、デジタル保存を検討したい」としている。
【 2015年02月04日 09時26分 】